東京1.80ショック!東京の教育は底が抜ける

2018年11月21日 06:00

1.80ショックという言葉をご存ではない方も多いと思います。だって、私がいま考えた言葉だから。これは、東京都の平成30年度の教員採用試験の小学校教諭の倍率です。この結果が、東京都の教育関係者の間でも衝撃をもって受け止められています。

来年度にどんな教員が着任するか不安な教育現場

現在、学校現場は戦々恐々としています。来年度の初任者(一年目の教員をこう呼びます)はどれだけ常識が欠如した人間が入ってくるのかと。倍率1.8倍ということは、企業の採用活動なら、もはや選考とは呼べない水準です。しかも、公務員試験の場合、企業の選考のように事前の足切りができせん。フルオープンでの募集なので、免許さえ持っていれば、あらゆる人間が受験できて、この倍率なのです。

もちろん、免許をもっているという前提がありますが、免許はどんなランクの大学でも授業にさえ出ていればとれます。実際に、東京都の小学校の校長と話してみると、そうとう深刻な危機感があるようです。

なぜ教職が忌避されるようになったか

東京はここ数年、他の自治体に先駆けて、採用人数を絞ってきました。東京都ですら、子供が減っていくのは火を見るより明らかだからです。

けれども、受験倍率が低くなるということは、受験者数が激減しているということです。
学生が教職を忌避するようになっているのです。

この十年で、学校現場はそうとう過酷な職場になりました。勤務時間は12時間越えが当たり前、休憩もとれず、残業代も深夜手当もなく、雑務(報告書とか研修とか)は飛躍的に増えました。さらに保護者の権利意識もさらに高まっています。共働き世帯が増えて、親御さんが子供と接する時間が減ったせいか、子供の質も相当に変質してきています。

しかも、教員には労基法は適用されません。

まともに就活の情報収集をできる学生なら、教職は避けるでしょう。

この問題は、これから50年間にわたり尾を引く

教員は採用されれば、よほどのことがなければ、定年まで勤め上げます。おそらく、いま採用された人たちの定年は、70歳になっているでしょう。ということは、50年近く教壇に立ちつづけることになります。企業のように「バブル世代をとりすぎたから、配置転換(実質的なリストラ)をしよう」というわけにはいきません。

これからは、教員「しか」なれなかった「しかしか」先生の授業を子供たちが受け続けることになるでしょう。

しかも、東京都に限らず、現在の学校は、「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業(以前の言葉でいうとアクティブ・ラーニング)」という、かつてなく知識や科学を軽視した施策をとっています。知識や科学を忌み嫌っているとさえ言ってよい状況です。こんな学校教育を経て、これからの子供たちは授業を受けて、21世紀の知識社会へ投げ出されていくのです。

これからの東京都の子供たちの将来を憂いて止みません。

中沢 良平(元小学校教諭)

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