2つのコーディネーターが地域を支える:地方制度調査会に招かれて

2019年03月08日 11:30

6日、地方制度調査会に有識者として参加して参りました。

この地方制度調査会は、内閣総理大臣の諮問に応じて、地方制度に関する重要事項を調査・議論・提言することが役割となっています。

地方分権や、市町村合併、道州制といった、時代時代の地方に関する重要なテーマを議論してきました。
第32次地方制度調査会の、総理からの諮問内容は次のようになっています。

「人口減少が深刻化し高齢者人口がピークを迎える2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応する観点から、圏域における地方公共団体の協力関係、公・共・私のベストミックスその他の必要な地方行政体制のあり方について、 調査審議を求める」

このなかで、「公・共・私のベストミックス」というテーマについて話をするために呼ばれたことになります。
私からは、『復興・地方創生の現場からみた「公」の課題~広域/地域コーディネーターの必要性』と題して、次の資料に基づいて話をしました。

0306_総務省地方制度調査会_RF.pdf

主に伝えた内容は次のとおりです。

・復興や地方創生の現場では、「半官半民」「個人」という特徴を活かして、広域/地域の2つのコーディネーターが、「公」に変わって問題解決を主導している

・2040年を見据えて、公共サービスでは企業・NPOが役割を果たす必要がある。そのために政府・広域自治体・基礎自治体において専任部門を設置し、個人である広域/地域コーディネーターをサポートする必要がある

釜石市の釜援隊を代表例として、東北復興の現場では地域コーディネーターが活躍しました。釜援隊については、ちょうど、概要をまとめた素晴らしいページができていますので御覧ください。

また、RCFは広域コーディネーターとして、省庁・企業・NPOによる資源やノウハウを全国各地の市町村に届け続けています(最近の事例でいえば宇和島市)。

被災した地域はもとより、人口減少がつづく地方自治体では、“私”も“共”も損なわれ続け、また余裕がない“公”の施策は住民まで届いていません。硬直した公/組織から一歩はなれ、半官半民で、個人の立場のコーディネーターが潤滑油あるいは翻訳者として様々な制度のすきまを埋める役目を果たし続けています。

人口減少が加速し、いまの日本社会を支えるあらゆる制度が賞味期限切れをおこす2040年。公共をすみずみまでつなげるためのコーディネーターが、あらゆる地域、あらゆる分野で求められているように感じています。

ただし、地方制度調査会の場では、「単純にコーディネーターを増やすべきではない」とも申し上げました。本来は似た仕組みである地域おこし協力隊は、受け入れる自治体の体制も、派遣する側の人材の教育も不十分なまま数が増え、人員不足で行政がにないきれない仕事の下請けに成り下がっているように見えます。地方創生人材支援制度も、同様の落とし穴にはまりつつあるように感じています。

送る側、受け入れる側の仕組みを整えつつ、訓練されたコーディネイターを馴染ませる。けして悠長な時間はありませんが、人材には限りがあります。これまでの”失敗”を振り返り、地域を支える新しい仕組みを確立させていく必要があると考えています。


編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2019年3月7日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
藤沢 烈
一般社団法人RCF 代表理事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑