鯛は頭から腐る?こんな低レベルの国会審議で良いのか!

2020年02月16日 06:00

魚にまつわる「ことわざ」はそれこそ五万とあり、筆者も少なからず知っているし、いくつかは日ごろ使うこともある。が、先日の予算委員会で立憲民主党の辻元清美議員が、質問の終わりに捨て台詞のように吐いた「鯛は頭から腐る」という語を聞いたのは、それが初めてだった。

衆議院インターネット中継より

そんなのあるの?と調べると、20年ほど前の佐高信の本の題名で、元はロシアの「魚は頭から腐る」という「ことわざ」とのこと。意味するところは読んで字の如く、魚が頭から先に腐り始めるように、組織もトップがだめだと下もそれに倣い、やがて全体が劣化するほどの意味らしい。

その委員会の様子はといえば、発言を終えて席に戻る途中の辻元氏が、安倍総理の「意味のない質問だよ」との、若干大きめな独語に気づき、「待ってました!」とばかりに、次の質問者の逢坂誠二氏と一緒になって大声で喚きつつ議長席に詰め寄った。

議長は発言中で気づかなかったなどといい、総理に答弁を求めた。総理は、質問でない「罵詈雑言」を一方的に浴びせられ、それは質疑ではないので「意味がない」と申し上げたなどと述べた。が、むろん野党は納得せず、結局、次回の冒頭で首相が謝罪することで野党が矛を収めたとのことのようだ。

質問時間が切れてから、政府側を誹謗するような「捨て台詞」を吐いて質問席を後にする光景は、立憲や社民の、とりわけ女性議員に多く見られるように感じる。本人や仲間や支持者はそれで溜飲が下がるかも知れぬ。が、政府や与党のみならず、テレビ中継の視聴者にとっても不愉快この上ない。

テレビ中継のない委員会でもこういったパフォーマンスがあるか知りたいところだし、総理のいうように、質問ならば反論できるが質問終わりの捨て台詞では抗弁のしようがない。筆者は、何といわれようと一切反応のできない皇室について、かつて辻元氏が著書で次のように書いたのを思い出した。

生理的にいやだと思わない? ああいう人達というか、ああいうシステム、ああいう一族がいる近くで空気を吸いたくない、天皇っていうのも、日本がいやだというひとつの理由でしょ。

皇室を嫌おうが、安倍総理を腐っていると思おうが、辻元氏が彼女なりの思想信条を持つ自由が日本には勿論ある。が、こういうのは少々卑怯に思えるし、ひとたびそれを著書やテレビ中継を通じて表に出したからには、何年経とうが世間はそれを憶えていてまた蒸し返す。

時あたかも、新型コロナウイルスの大流行が我が国でも起こるかも知れないというこのタイミングで、こうした低レベルの国会審議が大金を掛けて行われているようでは、今回の大流行の一因とされる中国の公衆衛生のレベルを、日本も恥ずかしくてとても云々できまい。

レベルをいうなら、佐高信の本の題名に過ぎない「鯛は頭から腐る」を、知っているかと総理に問う辻元氏の教養レベルも、実にお粗末といわねばならぬ。言葉が命の国会議員たるもの、シェークスピアや古典の一説とは言わぬが、もっと知的で機知に富んだやり取りで国民をうならせて欲しい。

魚と頭にまつわる「ことわざ」なら、「鰯の頭も信心から」というのもある。第三者が、誰かの狂信的な態度を揶揄するときに使うが、辻元氏が信じているものが「鰯の頭」かも知れぬではないか。「鰊の頭は鶴の味」というのもある。捨てるところが何もない鰊の有用性を指す語だ。

鯛に関するもので言えば、先ずは「腐っても鯛」。本来良いものは、条件が悪くなってもやはり価値を失わないとの意味だが、左派野党や左派マスコミがいくらモリカケだ、桜だ、と騒いでも、自民党の支持率が下がらない様子はまさに「腐っても鯛」というべきか。

「鯛も独りは旨からず」というのもある。同じものでも大勢でわいわい言いながら食べる方が、独り寂しく食べるより美味しい。左派野党には、一割に満たない鉄板支持者に満足するのでなく、どうしたらより多くの国民の支持を得られるかを真剣に考えて欲しい。さもないと「鯛」も腐る。

一海知義氏の「ことばの万華鏡」(藤原書店)によれば、「俎(まないた)」なる文字は紀元前一世紀の「史記」にすでにあり、左側の人を二つ重ねたのは半分に切った肉のことで、右の「且」は肉を載せる台だそうだ。日本語読みの「まないた」は「真魚板」に由来するともある。

一国の総理はまさに「俎上の鯉」だ。が、だからといって好き勝手に罵詈雑言を浴びせるだけでは「五月の鯉の吹き流し」の異説「口先ばかりで内容がない」といわれても仕方あるまい。そういう輩には「夏の鰯で腹が悪い」*なる語を献呈する(*鰯のはらわたが腐り易い「腹が悪い」と、根性が良くない「腹が悪い」を掛けた洒落)

鰯も近頃では高級魚だが、魚の王様は何といっても鯛。本人にはそのつもりがなくとも、「鯛は頭から腐る」と辻元氏の口から聞けば、聞く側の頭には、彼女が自民党に抱く畏敬の念がよぎる。何とも底の浅い発言ではあった。

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