イチローさんの名言!「結婚はギャンブル」に思う5つのこと

2020年06月29日 06:00

イチローさんが、SMBC日興証券の企画で、小学生から70代までの生徒さんの悩みに答えた動画が公開され話題になっていますが、その中で

理想形はわからないです。結婚はギャンブルですから

という名回答があり、私なんぞは「その通り!」と思いました。

私たちの場合は、「結婚はギャンブルである上に、配偶者もギャンブラー」という、「ギャンブル×ギャンブラー」という超ハイリスク夫婦なわけで、そんな夫婦達を沢山見てきた結果、私自身が学んだことを今日は書きたいと思います。

1)離婚は負けではない

ブラックジャックには「サレンダー」というルールがあり、「自分に配布されたカードと親に配布されたカードを見くらべて、こりゃどう見てもこっちに勝ち目がないから、半額親に払って勝負を降ります」というリスクヘッジがプレイヤーに認められています。

また愛好家とギャンブル依存症者の違いは「適度なところで止めることができる」かどうかです。

つまり勝ち目のないものに、ガンガン向かっていっても「いつかは勝つ」なんてことはなく、「止めるが勝ち」なんですよね。

「どう考えてもこの人とはあわない」と思っているのに「いつか変わってくれるかも」という希望的観測にすがりついていても状況は悪くなるばかり。それよりも「これ以上悪くなる前に、この勝負から降りよう」と思うのは、負けではなく「止めて勝つ」ということです。

結婚は勝ち負けではないですが、ただでさえ大変な離婚に必要以上にネガティブな感情を抱き、自分を責めることはやめましょう。むしろ止める決断をできた自分の勇気を讃えましょう。

2)経済的なつながりだけもあり

ギャンブル依存症のご夫婦には色んな形がありますが、中には「夫は稼ぎはかなり良く、生活費は今のところ入れてくれている」という人がいます。しかし問題は「何年かに一度デカイ借金が出てきて、段々本人もイライラし始め、お金を要求してくるようになった。」というところにあるわけですね。

この場合は、とりあえず別居(暴力、暴言がない場合は同居のままもあり)してお金をくれる間は貰っておく、つまり「結婚=経済的事情」となる選択肢も全然ありです。

子供が3人もいる場合、とても自分の給料だけでは養えない…となったら、夫が子供や家庭に未練があるうちは、しっかりお金だけは貰うのです。

仲間の中には「月々70万は渡してくれるんですけど、自分のお小遣いに50万も持っていっちゃうんですよ。それでも借金でクビが回らなくなると泣きついてくるんです」という人もいますが、これが例え1ケタ違ったとしても、自分と子供の身の安全を確保して、「お金を入れてくれる間は夫婦でいる」という割り切った考えは実に合理的です。

それをいちいち「お金だけの繋がりなんて…」と自己れんびんに陥っていると、自分と相手を責め出し、ネガティブなことが人生に多くなるんですよね。「お金を入れてくれるのはありがたい!」と感謝に変えて、今を楽しんだ方が全然良いです。

3)自分が間違えたわけではない

ギャンブラーと結婚したことに対して「自分の見る目がなかった」という風に、まるで自分の責任のように感じている人がいます。けれどもタダの愛好家か?ギャンブル依存症者か?など、知識のない人に見分けることなどなかなかできません。ギャンブラーはそもそも真実を隠しています。

また、結婚した時は愛好家であったり、全くギャンブルをやらない人でも、職場の人に誘われてはまることもありますし、単身赴任で休みの日にやることがなくパチンコに行き出したというパターンもあります。

ギャンブル依存症は病気です。
病気には誰でもなります。
病気にならない人と結婚することなど不可能であり、自分の選択肢の間違いなどではないのです。

写真AC

4)自分が変わることに徹する

イチローさんの名言通り結婚はギャンブルです。
ギャンブルとは「偶然性に支配されるものに賭けることです。」ですから相手を変えることはできません。
自分を変えるしかないのです。

結婚というギャンブルからサレンダーすることも、お金というつながりで割り切っていくことも、はたまた回復しない配偶者と共に生きる選択肢もあります。

もちろん自分と配偶者と共に回復を目指すという道もあります。けれどもこの場合も同時に回復を目指すスタートラインにつけるのはまれです。まずは自分が配偶者の尻拭いを変えるなど、変わっていかねばなりません。

5)仕事を持つ

最後に、ギャンブル依存症者を夫に持つ妻に対する最重要項目をあげます。
それは自分が仕事を持ち、経済的自立を目指すことです。

ギャンブラーは、今なんとかなっていてもいつどうなるかわかりません。
夫と一蓮托生になっていたのでは、どんなにひどい仕打ちを受けても離れられなくなります。
なんとかなっているうちに働くのです。

時々「自分が働くとますますギャンブルにお金を使うのでは?」と心配する人がいますが、病気の進行に妻の職業の有無など関係ありません。ギャンブラーはなんらかの回復支援に繋がらなければどのみち進行していきます。

働くメリットはもう一つあります。「働いている間は、心配ごとを考えないで済む」ということです。これはいたずらに自分の頭の中を痛めつけることを止めさせてくれます。自分の頭の中を極力ストレスから守り、健康を保たねばなりません。

以上、確かに結婚はギャンブルです。でも、私の経験上、ギャンブルでギャンブラーを引き当てると、一見負けのようですが、そこから自分を変えようと動き出すと、とんでもない「心の財宝」をひきあてられます。

その財宝とは、自分を愛することができ、自信を取り戻し、社会貢献という使命に目覚めることです。

そもそもギャンブルって負けるから面白いんですよね。

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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