企業がCSR活動をする理由-松本孝行

2010年05月20日 16:26

 池田信夫さんのブログで企業の「社会的責任」とは何かというエントリーを書かれていたのを読んで、前に参加した企業CSRとNPOの協同というテーマのセミナーのことを思い出しました(光の道議論とはまったく関係ないですが…)。

 大企業をはじめとした多くの企業がCSRという言葉を口にし、CSR活動を始めています。なぜ企業はCSR活動を行うのでしょうか。セミナーでCSR担当の方がおもしろいことをおっしゃっていたので、ご紹介します。


 そのCSR担当者いわく、CSR活動を行っているのは「販売促進のため」とのことでした。その企業は地域活動に力を入れていたのですが、その地域の方々と触れ合うことで、企業のファンを作り、そこから企業の商品を買ってもらうということを狙いとしているとおっしゃっていました。

 これはまさにそのとおりで、企業がCSR活動を行っているのはなにもボランティア精神からではありません。CSR活動によって、心理的なファン層を増やすであるとか、少しでも業績を上げるとか、はたまた市民団体から訴えられたりするリスクを回避するために行われています。つまりは企業利益のためにCSR活動は行われているのです。

 これは私の経験からも同じことが言えるのですが、昔CSR環境関連部署とお付き合いしていたことがあります。そこでは飲料関係の大型什器が毎月廃棄され、それを適切に処理する仲介・コンサルティングをしていました。もし、この企業のCSR活動が単純にボランティア精神であれば、環境負荷の最も少ない方法で処理されていたでしょう(もしかすると、リユースし続けることを選んだかもしれません)。

 がしかし、彼らが選んだ方法は「最も高く什器を買ってくれる業者へ処理をお願いする」ことでした。大型什器は鉄や非鉄の塊でもあるので、スクラップとして売却することが出来たのです。ですから、環境負荷の少ない方法以上に少しでも利益が出る方法を選択したのです。まさに企業利益にかなった方法を彼らは取ったと思います。私たちもこのことを知っていましたから、当然他社に営業する際は利益が上がることを前面に出してアピールしていました。

 また、セミナーではCSR担当者の方が企業の最も重要な社会的責任とは配当・納税・雇用の三つであるとおっしゃっていましたが、これもまさにそのとおりだと思います。環境や地域貢献とCSRを声高に叫ぶ企業が赤字で配当・納税・雇用していないと言うのは笑えない話です。企業の社会的責任を果たしているとは到底言えないでしょう。

 最近では企業のCSR部門で働きたいと言う学生も徐々に増えてきていると実感していますが、CSRは企業のボランティア部門ではありません。あくまで企業利益を追求する一部門であるということを忘れないよう、ご注意を。

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松本 孝行
セカンドチャンス 代表

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