ファシズムへの扉は開いたのか?

2012年04月08日 12:17

ファシズムに関する記事を一度だけ書いた事がある。昨年の正月明けのファシズムの影である。この時ランチを共にした友人、東大にストレートで入学し、大学院を優秀な成績で卒業の後、皆が羨む超一流企業に入り、ハーバード大学留学も含め、順調にキャリアパスと昇進を重ねて来た人間から聞くには余りに不似合いな言葉であったからかも知れない。


或いは、その日も今朝の様に良い天気で、友人の勤める企業本社の高層階にある、社員食堂と呼ぶには余りに豪華なレストランの窓から見える東京湾の輝きと、友人の表情の陰りのコントラストが鮮やかで印象的であったからかも知れない。

兎に角、それ以降、ファシズムと言う言葉が私の頭の隅に取りついて離れないのである。

この記事を書いてから、早い物で1年3ヶ月が経過した。

果たして、日本の政治状況は少しは改善したのであろうか?

いや寧ろ、悪化していると思う。

そして、3.11がターニングポイントであったと思うのである。

民主党政権に取って、本来東北の震災復興と、あるべき電力行政の策定を政治主導で実行出来る、千載一遇のチャンスであった筈である。

しかしながら、何一つ真面な事は出来なかった。国民が呆れる程の民主党政権と民主党議員の無能振りが焙り出されただけの事である。

一方、民主党の敵失の追い風を受けた在野の政治家に取っては、民主党に取って代り国民にあるべき政策を提示出来る絶好のチャンスであった筈である。

しかしながら、意味不明な世田谷新区長の主張に書いた通り、多くの政治家は、国民の不安や恐怖を煽りに煽る事で「共感」を得、耳触りは良いが実行不可能な解決策を提案し、当選してしまった。

そして予想した通り、選挙で主張した事が実行に移されたと言う、具体的な話、結果を聞いた事がない。

寧ろ、「原発から再生可能エネルギー」を主張して当選を果たしながら、ここに来て、するりと体を入れ替え、自分も東京電力の被害者の如く振る舞っているのではないだろうか?

冷静に考えれば、ポピュリストに問題解決能力を求める事が間違っている。所詮、「発言」するだけの人達である。

結果、国民の眼前にあるのは、「政策は官僚に丸投げし、利益誘導に血道を上げる自民党」、「余りに無能な民主党」、「安易なポピュリズムにどっぷり染まった第三勢力」のみと言う悍ましい光景ではないだろうか?

ポピュリズムが日本を破滅に導く事は説明の必要がないであろう。

こう言う状況で、国民の多くが歯切れが良く行動力のある橋下大阪市長が率いる大阪維新の会に期待したのは当然の成り行きと思う。

大変残念な事実であるが、ここに来て期待の橋下氏も、どうもポピュリストの一人ではないかとの疑念が浮上して来た。この記事等は参考にすべきと思う。

そして、慧眼の師、池田先生曰く、「次の次に期待するしかない」とのご意見である。

かつて消費税増税の急先鋒だった小沢氏が、今それに反対する理由は明白だ。現在の「反小沢」執行部を倒すためである。政治とはそういうものであり、彼の主張に論理整合性を求めるのは無理である。それを意味不明な論理で擁護する橋下氏も「政局の人」になったのだろう。

ただ私は、この政局的な勘は悪くないと思う。小沢氏が離党し、彼の資金力・組織力と橋下氏の人気を組み合わせれば、次の総選挙で第一党になる可能性もある。自民の一部が組めば「橋下首相・小沢幹事長」という細川内閣のようなパターンもありうる。

しかし問題は、何をするかだ。橋下氏の政策は組合たたきや原発反対など思いつきのポピュリズムで、このまま国政に進出しても霞ヶ関に一蹴されて終わりだろう。小沢氏の力もかつての面影はないので、細川内閣のように短い命で終わるおそれが強い。次の次に期待するしかない。

私は、次の次がファシズムに傾斜する事を危惧するのである

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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