若く幼稚な指導者が北朝鮮を追い詰める --- 岡本 裕明

2013年05月12日 08:28

このところ、北朝鮮の動きが収まりつつあります。一時は金正恩氏の一周年やら金日成氏の生誕記念日などイベントが重なった上に北朝鮮の国威を示し、正恩氏の軍部内での力関係を明白にするため強気の動きに出ていました。ロケットの発射もいつあってもおかしくはないとされていながらなぜここにきてその勢いがしぼんできたのでしょうか?


当時は確かに韓国が米国と軍事演習をしていたことも北朝鮮を刺激していたと思いますが、正恩氏があれだけ世界に向けて「威嚇」したにもかかわらず、ほとんど効果がないばかりかむしろ敵を作ってしまったことで北朝鮮外交の完全なる失敗に終わったということではないかと思います。

私の見方は直接の引き金は中国の態度が硬化したことではないかと思います。特に中国の主要銀行が北朝鮮関連の口座を閉鎖したことはある意味、息の根を止めるぐらいの効果があったのではないでしょうか?

もともと北朝鮮は中国があって今に至っています。正恩氏の父、金正日氏はそのあたりの交渉は上手でした。しばしば中国に出かけ、幹部との交渉をうまくしたためてきました。ところが正恩氏はいまだ、中国に公式訪問をしていません。当然ながら習近平国家主席とも会談はしていないはずです。(はずですというのは公式にはそのようなニュースはないのですが本当のことはわかりません。)

まさに四面楚歌という言葉がぴったり来るのが今の北朝鮮ではないでしょうか? 仮に制裁が長く続けば正恩氏の指導力に対する疑問は再び国内、特に軍部で持ち上がる可能性はあると思います。その際に対応できるだけのカリスマ性を持っているか、私には疑問なのです。例えば最近、世界最高水準の乗馬クラブを建設するに当たり正恩氏が相当ちゃちゃを入れたというニュースがありましたが、彼はスポーツに関して西欧を非常に意識し、結局けんかなどできないのではないかと感じさせました。つまり、あまりの西欧やアジアなどの進歩を見たことで自国の貧しさとのジレンマに陥っており、どうやって先進国に追いつくか、悪戦苦闘をしているように見えるのです。

とすれば、正恩氏の動きはまさにやんちゃであった、とも言え、その稚拙な外交は大きな損害を被ったということになります。「僕も西側諸国の国に生まれればよかったのに」というのが本音のような気がします。それに対して軍部は何をいまさら、という叱咤激励をしているというのが構図のように思えます。最悪なケースとしてはクーデターだとは思いますが、それがあるとすればもう少し時間がかかるのではないでしょうか?

地政学的に周りの国も手を出せないがので足並みを揃えた経済制裁が当面はもっとも効く薬になるかと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年5月11日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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