内部告発に組織はどう対処すべきか

2013年10月28日 15:39

これまで「優良企業」と言われてきた企業の不祥事が相次いでいます。東京ディズニーリゾート系列のホテル、プリンスホテル、阪急阪神ホテルズ、リッツ・カールトン大阪、といった「一流ホテル」のみならず、今度はクロネコヤマトのヤマト運輸が「クール宅急便」の荷物を常温で放置していた問題が明らかになりました。先日、老舗出版社の秋田書店の編集者が、読者プレゼントの偽装問題を内部告発して話題になったんだが、当コーナーで上げさせてもらった「ぴあが『ももクロ』本で詐欺まがい」の件も内部告発が発端になって発覚。また、クール宅急便放置問題も、内部から出た動画をもとにして報道にいたったようです。


米国の「敵」になったエドワード・スノーデン氏も元CIA職員で、国家による盗聴を内部告発で暴露して一躍、刻の人になりました。国家にとってスノーデン氏のような人物は、まさに「獅子身中の虫」。国民の知る権利と天秤にかけても国家機密は守らねば、というのが基本的な態度です。安倍政権は、この臨時国会で「特定秘密の保護に関する法律案」を成立させようと画策しているわけなんだが、この法案が制定されると公務員の守秘漏洩が厳罰化され、内部告発などをしにくくなる、と危惧する人も多い。そうした空気を読んだのか、政府内からは「違法を告発した公務員は罰しない」という声も聞かれます。

しかし、いったいナニが「違法」なのか、誰が「違法」と判断するのか、そのあたりについては曖昧にしておき、断言はしないでしょう。「公共の利益」と判断されれば、黒いカラスも白になる司法制度です。恣意的に運用されるのが見え見えなのに、これで内部告発者は守られる、と考えるお人好しはいません。

何かと後ろ暗い企業にとって「内部告発」は大きな脅威です。公明正大清廉潔白と胸を張る企業にしても、単なる逆恨みで効果的にネガキャンを貼られたら企業価値の毀損につながりかねません。いったんネット上へ出されて拡散したら、広告宣伝費を使ったマスコミ対策も効果はない。そのために内部調査の組織を作り、従業員の監視を強める企業も多いようです。

現在では「公益通報者保護法」という内部告発者を守る法律があり、限定的ながら企業から告発者への制裁は禁じられています。しかし、同法施行後もトヨタ系列の販売会社やオリンパスなどで報復人事が行われたりしている。「内部告発」と言えば、2010年に海上保安庁の保安官が尖閣諸島での中国船舶との衝突事件動画をネット上へ公開させたことで英雄視されました。逆に、たとえ違法なことでも外部へ漏らせば、組織の「和」を乱す悪者にされてしまうこともよくあります。

やはり、企業にせよ役所にせよ、常にトップが白黒をはっきりさせ、日頃から違法行為には決然とした態度で臨むなど、広い意味でのコンプライアンスこそが組織をより良くしていく、という意識をしっかり持つことでしょう。何か問題があるからこそ内部告発者が出るんだが、公明正大清廉潔白な組織としての自信があるのなら仮に出ても堂々としておればいい。仮に問題があれば「自浄能力」を試す、いいきっかけになります。内部告発を監視するのなら、臭いものに蓋で抑え込まない。一歩進んでその兆候をつかみ、告発されそうな問題を事前に把握する。そして、問題解決の手段や第三者調査の実行などを自ら発表し、内部告発者の機先を制し、的確適正に対処することが大事だと思います。

木村正人のロンドンでつぶやいたろう
特定秘密保護法「知る権利」「報道の自由」を考えよう


報じられている?
どーか誰にも見つかりませんようにブログ
ここんところ「食」に関する事件や疑惑がちょっと多いですね。このブログでは、そんな報道の中でみなさんが忘れてしまった「イオン産地偽装問題」や「ノバルティスファーマのデータ偽造事件」について書いています。どうも大手マスメディアが作り出す「バイアス」への疑念が払拭できない。テレビや新聞といっても、しょせんは営利企業なわけで、クライアントに都合の悪い情報はあえて出すことはないでしょう。セクハラテレビキャスターを叩いていれば、それで視聴者や読者は喜んでいる。あんなのはどうでもいい話で一種の目眩ましのようなもんだ。しかし、薬のデータが信用できないというのは、はなから斜めに受け止めるマスメディアの情報とはまったく別の問題です。科学的に「フェア」なはずの学会まで「金」で買われているようじゃ、お先真っ暗ですな。

70歳代の運動能力が15年間で過去最高に スポーツクラブに所属する人は体力が高い傾向も
官庁通信「今日の話題」
若い人はエネルギーを消耗して元気がない代わり、高齢者はどこを見てもものすごく元気ですな。こないだ某地方都市の立ち飲み居酒屋で飲んでたら、横に地元の中小企業の社長さんがいまして、飲みながらちょっと会話を交わしたわけです。70歳という年齢ということなんだが、いろんな意味でまだまだ「現役」らしい。色っぽい方面の武勇伝も聞かせてもらいました。大丈夫か、若者たちよ。

「売りたくない」マーケティング、「開発したくない」技術部、「契約したくない」法務部が組織をダメにする。「やらないこと」が最適解になってしまう日本の組織。
Takeuchi Laboratory
アゴラの夏合宿で講師をしていただいたこともある中央大学理工学部、竹内先生のブログです。産学連携、というかけ声はかなり依然からアチコチで聞かれ続けてるんだが、実際、産業界と学会の間の温度差や考え方、立ち位置、資金は大きいようです。どちらにも不満がある。基礎研究の重要性はみなさん十二分に知っていても、なかなか軸足をそちらへ思い切り移す、というわけにはいかない。グズグズしている間に日本はドンドン世界から取り残されてしまいます。

「仕事は結果がすべて」というウソ
脱社畜ブログ
よく言いますよね「結果を出せ」とか。しかし、仮に「結果を出せた」として、普通の会社のサラリーマンにいったいどんな「果実」があるというのか、と書いているブログです。ようするに、この言葉は「尻を叩く」ための方便に過ぎず、結果が出ても報酬はない、ということを隠している。社会に出る前に受験勉強などで「結果が全て」というスリ込みがあり、この心理を企業社会がうまく使っている、というわけです。だったら会社を辞めて独立すれば、それこそ「結果が全て」という環境に放り出される。それが嫌なサラリーマンの側も、この「方便」を利用しながら組織の中で生きている、ということでしょう。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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