猪瀬都知事が疑惑のカネをもらったワケ --- 岡本 裕明

2013年11月24日 21:00

なぜまたこんな時に、この人が、こんな多額のお金を、こんなグレーな形で所有していたのか、と疑問符だらけ、いや、疑惑だらけの5000万円です。

渦中の医療法人徳洲会グループから今年のヒーロー(であるはず)の一人、東京都の猪瀬知事に渡されていたこの「選挙対策資金」と称するお金は公にすることなく、個人の借用で猪瀬知事の奥さんの貸金庫にひそかに仕舞われており、今年初めには返却するはずがずるずるとオリンピック開催決定の頃まで金庫に寝ていました。


勝手な想像力のもとで猪瀬知事の心理を代弁すると「お金は邪魔じゃない」ということだったと思います。つまり、ばれない限り、使わない限り、返却できる限り手元に置いておいてもよいだろうと思っていたはずです。これはまず間違いないでしょう。特にこの資金は初め、ご本人のいう選挙対策資金でしたが、それも使わずに無事終わり、ほっとしたところでオリンピック誘致という大仕事が待っていました。ここでいざ何時の資金がいるかもしれないと思ったのが本音ではないでしょうか? ばれない限り置いておく、というのは普通の人間の心理だったかもしれません。

ところが世の中、そう簡単ではなく、徳洲会の資金は逮捕者を出す事件と発展してしまいました。これは当然、知事にとって「想定外」であったはずです。そこで疑惑の種を早く消すために特別秘書なる人(鈴木氏か石元氏のどちらか)が返却することになったのです。

ではほかの選挙関係資金は公にしたのになぜ、これは隠したのかといえば、そういう性格の資金もいざとなれば必要になる時が来ると思ったか、そうしたほうが良いと吹き込まれたかのどちらかです。まぁ、残念であります。

先日、賄賂という内容のブログを書いたばかりでしたが、その時、もらう側に弱みがあるとしました。無利息、無担保で借り入れ期間も不明瞭なこの資金はその定義からすれば一種の賄賂といっても過言ではありません。ただ、法的立証が難しいでしょうからその処置からは逃れられるかもしれません。ただし、社会的処置はそう簡単ではないかもしれません。

上に立つ人に求められるのは人望です。それはクリーンでまっすぐであり、純粋な意味で「先生」でなくてはいけないのです。稲盛和夫氏のような仏のような深さが必要なのです。ですが、知事は残念ながらその部分においては普通の政治家と同じであり、最悪なことに徳洲会からの資金がばれたというストーリーに落とし穴があったといわざるを得ません。

ましてや報道からすると提供する側としてもらった側で話が食い違っていますが、知事は1億円を借りようとしたがとりあえずの5000万だったということですからどうみても要求したのは知事でしょう。ではなぜ、この借り入れだけ隠したか、あくまでも想像ですが、貸し手の徳田虎雄グループ創設者が病気でしゃべることが出来ないことがあったかもしれません。

猪瀬知事が今年、たたかれるのは二度目。一度目はオリンピック誘致の際、トルコなどに対する不適切発言で大きな問題になりかけたことであります。オリンピックの誘致成功についても安倍首相を初め選手や功労者は大きく名前が取り上げられましたが猪瀬知事は比較的影が薄かった気がします。

このところメディアも「たたく人」がいなくなりつつあったところですから猪瀬知事には黄色信号が灯っている気がしないでもありません。この先の展開がありそうな気配がします。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年11月24日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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