我々は「ドラッグ」をコントロールできるのか

2014年01月07日 13:09

北朝鮮で覚醒剤が作られ、それが日本などへ「輸出」され、貴重な外貨を稼いでいる、というウワサが、まことしやかに広まっています。在日が多いと言われている反社会的な勢力や裏社会の資金源になるとともに、覚醒剤による利益で金正恩体制がなんとか命脈を保っている、というわけです。

覚醒剤のような「向精神薬」というのは、人類の歴史にとっても切っても切れない関係があります。化学合成される以前には、インドネシアのバリ島の「マジックマッシュルーム」のような「幻覚キノコ」を食べて「神がかり」になったりする。英国の鬼才ケン・ラッセル監督『アルタード・ステーツ』(1979年)という映画の中に、中南米の原住民から入手した「幻覚キノコ」を食べてから「アイソレーション・タンク」に入って人類の歴史をトレースする、という描写があるんだが、シャーマニズムなど宗教的儀式で使われていたんでしょう。


ちなみに、この「アイソレーション・タンク」、米国の脳科学者でイルカ研究家のジョン・C・リリーが開発したもの。彼は動物認知、つまりアニマル・コグニション(animal cognition)研究の第一人者です。「アイソレーション・タンク」というのは、人間が横たわって入れるほどの密閉容器に「羊水」のような比重の水を入れたもの。心理療法などで今でも使われ、スポーツ選手のメンタルトレーニングやリラクゼーションで活用されています。

ベニテングダケのようなLSD(リゼルグ酸ジエチルアミド)系の自然物や大麻などが長く使われた後、外科手術時の麻酔薬としてアヘンからモルヒネが合成されるなどし、人工的な「向精神薬」が作られます。日本でも戦前に「ヒロポン」が広まる。バブル期に「24時間、戦えますか」というスタミナ飲料のCMが流れ、あのフレーズが記憶にある人も多いと思うんだが、戦前には「ヒロポン」のようなメタンフェタミン系の「向精神薬」がそのへんの薬局で堂々と売られていたんですな。

坂口安吾や織田作之助なんかの小説家も、今の芸能人が覚醒剤に溺れるように「ヒロポン」中毒になっていました。戦時中には各国で兵士に「ヒロポン」様の「向精神薬」が配られ、戦闘意欲の増進や過酷な環境への適合などを計ったのは有名な話です。これは日本に限ったことじゃありません。戦後、兵隊用の「ヒロポン」が市中に出回り、中毒患者が社会問題化して、ようやく「向精神薬」の常用の危険性が広く認知されるようになりました。

しかし「脱法ドラッグ」が今でもあちこちで話題になっているように、人間が「向精神薬」的な薬物を求める欲望はなかなかなくならないようです。風邪薬も大量に摂取すれば、なにやら幻覚めいたものを見るような状態に陥るわけで、医薬品と「幻覚ドラッグ」の境界は微妙。薬事法を改正して「脱法ドラッグ」を規制してもイタチごっこになりがちです。

北朝鮮に限らず、1840年から始まった「アヘン戦争」にみるごとく、覚醒剤や麻薬は国家にとっての収入源にもなります。こうした薬物より、アルコールやタバコのほうがずっと害がある、という人も多い。戦前、日本には「アヘン王」と呼ばれた二反長音蔵という人がいて、SF作家、星新一の父親であり星製薬の創業者、星一や台湾総督府長官や満鉄総裁だった後藤新平らと一緒にアヘンの生産と管理に邁進していました。

国家が「ドラッグ」をどう管理するのか、というのは、人間の欲望のコントロールと関係して興味深い話なんだが、オランダでは街の喫茶店で大麻を売っていたりします。大麻などのいわゆる「ソフトドラッグ」は遵法であり、コカインなどの「ハードドラッグ」やアルコールは規制している。禁酒法時代の米国の例をみるように、アルコールを含む薬物は政府が規制すれば反社会的な勢力の資金源になりがちです。かといって、税収の問題もあり、完全に野放しにしていいというものでもない。米国コロラド州ではオランダのような政策を始めたらしいんだが、15人が殺されたコロンバイン高校銃乱射事件が起きた州でもあり、この先どうなるか注目です。

素浪人♪の日々不穏
米コロラド州で嗜好用マリフアナの販売開始 ~ぼくドラッグえもんw~


自転車人口の増加を受けてアメリカで進みつつある法律や道路環境の整備
Gigazine
健康や環境のため、自転車に乗る、という人が世界的に増えているようです。それにより、自転車乗りと歩行者、ほかの自動車との間で軋轢も生まれている。日本でも同様であちこちで問題が起きています。警察は法規制や罰則強化でなんとかしようとしてるんだが、道路環境の整備も重要でしょう。しかし、もう先進国の行政府にインフラ整備の金はありません。自動車優先で作ってしまったんで、今さら変えるのは莫大な費用がかかる。最後はやはり乗る側のモラルに頼るしかなさそうです。

オルフェーヴル、お前は僕にとって、「競馬」そのものだったよ。
いつか電池がきれるまで
引退する名馬が一番人気、というのはわかるんだが、8馬身差ぶっちぎりで勝っちゃう、というのは「できすぎ」でしょう。引退する要素がどこにもありません。まだ走れるんじゃないのか。ファンはもっと彼の疾走する姿を見ていたかったんじゃないのかな、と思います。さらに、種馬としてノンビリ生きていく、という環境は、競走馬にとってどうなのか。まあ個人的にはとてもうらやましいです。

高級レストランこそ、マナー適当で大丈夫(と、ちょっとご報告)
レールを外れてもまだ生きる – 派遣OLブログ
これは年末に書かれたブログなんだが、おめでたい話もオマケについています。食事のマナーほど誤解のあるものはありません。伊丹十三監督の『タンポポ』という映画にスパゲティを食べるシーンが出てくるんだが、音を立てずに、というマナー講座をやっている横でイタリア人らしい男性が盛大にズズズズとすすっていたりする。当方もイタリアへ出張で行った際、現地のレストランでこれをやっていたら、別席の日本人から白い目で見られました。美味しく食べることができればそれでいいんじゃないのか。

外務省の「米国における対日世論調査」と藪の中
政治学に関係するものらしきもの
ほぼ毎年、実施している世論調査らしいんだが、日米関係をうらなうための重要な資料になっています。このブログでは、新聞各紙がこれをどう伝えたのかを紹介。米国人にとってアジアにおける重要なパートナーでは、中国がトップ、日本は2位になってしまった。こうした調査は、そのときどきで変わってきます。米国人の「アジア観」の正確さもあまり当てにはできません。政治軍事的な「パートナー」とビジネス上のつきあいでも違うでしょう。こんなものに一喜一憂せず、日本政府は、まず自国民と国益を最優先にして独自の視点で外交を展開してほしいもんです。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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