成人式社説の若者離れ TBSラジオSession-22成人式特集が秒速で卒倒するほど良番組だった件

2014年01月15日 09:03

いやはや、成人式が終わりましたな。ちょうど、TBSラジオのSession-22が成人式特集をしておりました。これが、秒速で卒倒するほど、良番組でしてな。ご紹介しつつ、成人式について考えてみたいと思います。なお、実験的におっさん臭い文体にしています。ご意見ください。


今年も成人式が終わりましたな。小生、こう見えて大学院生で、修士論文提出前日なので、今年はあまり成人式ウォッチャーをできてませんで。いまやネットで成人映画も見放題なので、成人するありがたみがありませんな。

成人式といえば、荒れる若者と、意識の高い大人からの訓示ですな。

今年は千葉県では、あらかじめ荒れる宣言、があったんでしたっけ?世田谷では暴走族の乱入、があったんでしたっけ?

こういうのは、相互作用というやつで、荒れる若者を取り上げているから、次の世代も「荒れなければならない」と思っているのですかね。

だいたい、◯◯式というのは、一般個人にとってかけがえのないステージでしてな。入学式、卒業式、内定式、入社式、結婚式、葬式、誕生会。さらに、成人式。個人の晴れ舞台って、これくらいですからな。それくらいしか、庶民には晴れの舞台がないわけであります。

だから、皆さん、リクルートの『ゼクシイ』に踊らされて、どうせ約4割は離婚するのに高い式場で披露宴をやっている夫婦、友人代表の下手くそな歌の披露があっても、温かい目で見守って欲しいのであります。

成人式で荒れる人は、ちゃんとその前年も翌年も、サボらずに荒れて欲しい次第であります。

まあ、普通の若者は、普通に参加してますよ。そして、髪をラスボス風にして、着物を着て、地元の仲間と「うぇーい!」という写真が、Facebookに投稿されるわけで、リア充だと思うわけですが、真のリア充は息子・娘の成人式写真を掲載している中高年でありまして。

ちゃんと結婚して、子供もつくれて、家も買って、不倫もし放題。

Facebookは、若者のメディアではなく、実は中高年の復讐なのであります。

それはそうと、成人式ウォッチャー、もっと言うと、訓示親父ウォッチャーとしては、この日に新聞の社説だとか、ブログのエントリーだとかで、意識の高い(笑)発言をみるのが楽しみなワケです。

やれ、世界に羽ばたけとか、消費しろとか、イノベーションを起こせとか、社会を変えろとか、選挙行けとか。

ほとんど若者と会ったことがなく、高いお給料をもらっている新聞社の編集委員にそんなこと言われたくないわけであります。

だいたい、若者は新聞を読んでいないと言われているわけで、その声は届かないわけです。昔のユーミンの曲名から言うと「届かないセレナーデ」という感じですか。「ポケベルが鳴らなくて」なんて曲があったわけですが、もう一生、金輪際、鳴らないのと一緒で。

要するに何が言いたいかというと、現実とずれていて、相手に届かない。見世物に過ぎないわけです。

成人式社説の若者離れですな。

ソーシャルメディアでも、12月から4月は、「意識の高い(笑)訓示親父」ウォッチャーとしては、楽しい時期ですな。就活解禁→年末年始→成人式→卒業式→入社式と意識高い系言説が炸裂するわけです。

毎年、「イノベーションを起こせ」なんてことを言い出す奴がいるわけですが、お前が起こしたイノベーションはいくつあるのだと問いただしたいわけです。

「イノベーション」は訓示親父のマスターベーションなのであります。

そんな中、TBSラジオのSession-22が放送した、成人式特集は、ギャラクシー賞ものの、超絶良番組で、小生、秒速で卒倒しました。



なんと言っても見どころ、いや聞きどころはですな、成人式社説をめぐる議論です。『あいつらは自分たちとは違う」という病: 不毛な「世代論」からの脱却』著者の後藤和智さんの分析がありました。彼は『統計学で解き明かす成人の日社説の変遷 (平成日本若者論史) 』というKindle本も出しています。ゲストの飯田泰之さん、松谷創一郎、パーソナリティーの荻上チキさん、南部広美さんが議論したのですが、これが実に軽妙かつ深かったのであります。

分析が秀逸でした。

後藤さんによると、ワースト社説は毎日と産経、ベスト社説は日経だったとか。

番組HPにより引用します

●毎日新聞「成人の日 「いいね」だけでいい?」
若い世代にたいして「広い情報・視座に触れよ」という内容になっているが、それはメディア自身にこそ投げかけられるべき内容であり、成人の日の社説の「祝辞」的なものとして適切かどうか。和合亮一の誌が紹介されているが、むしろ、若い世代にとって身近な雇用の問題を扱った方がいい。

●産経新聞 「「仮免」の今は大いに学べ」
 「徒弟制度のあった過去とない現在」を比較して現在の20歳は「仮免」であると述べるものの、若い世代の就業について、どちらかと言えば悪い方向を採り上げて、「過去」を理想化するような議論は、本当に「社説」として行うべきものなのか、大いに疑問である。

●日本経済新聞「若者たちの「外向き志向」を生かそう」
 他紙がもっぱら「内向き」「さとり世代」と述べる中で、敢えて若い世代の「外向き」志向についてデータなどを交えて紹介し、安直な若者論を戒めている。このような社説は昨年の朝日新聞にも見られたが、成人の日こそ、メディアや社会の「若者」への視点を問い直すという試みは大いに評価したい。

前述したように、成人式社説は、若者を知らないおっさんの、おっさんによる、おっさんのための、若者に届かない公開マスターベーションなわけですが、ある意味、「メディアの人間が若者をどう見ているか(実態とずれていたとしても)」を確認する機会ではありますな。あるいは、ズレた言いっぱなしを楽しむエンターテイメントなのであります。

で、番組でも触れられていましたが、「社会を変えるのは若者」という誰も反論しないような、正論のような言いっぱなしは危険だと思うのです。まあ、普通に考えると、私達の方が早く死ぬわけですが、新成人、121万人しかいませんから。

新成人に説教するのもそろそろやめにして、まず、自分の部下、後輩を丁寧に育てろと言いたいわけです。

ここまで言っておいて、最後に小生も、新成人に一言。

大人たちに騙されるな。

これに尽きるわけです。私も含めてね。

そして、人生いろいろ。キャリアには、アップもダウンもありません。

数年前、朝日新聞の社説は尾崎豊ネタで顰蹙を買ったわけですが、若者が聞くべきは、尾崎よりも島倉千代子なのであります。秒速でiTunes Storeで買ってください。

PS
・・・成人式なのでおっさんくさい文体にしましたが、やっぱりこれ変ですかね。ご意見ください。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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