根付かせたくない「強制チップ」の習慣

アゴラ編集部

最初に欧米へ出張や旅行で行くと、レストランなどのチップの習慣に途惑います。のっけからなんの抵抗もなく、支払いに20%程度を上乗せできた人って少ないんじゃないでしょうか。ホテルのベッドメイキングのチップもしっくりこない。チップが必要な人たちの給与所得が低過ぎる、ということに日本人はなかなか気づけません。それだけ日本は、所得格差の低い国だった、ということでもあります。


当方、学生時代にごく庶民的な民宿でアルバイトしてたんだが、布団を敷きに行くとチップをもらうことがよくありました。ちゃんとバイト代をもらってるのに、普通のおばちゃん客から布団を敷いただけで1万円とかいただくと、うれしくもナゼか後ろめたい感覚になったもんだ。戦前や戦後すぐの日本には「列車ボーイ」なる職業の人たちがいたそうです。今のグリーン車にもアテンダントがいるんだが、列車ボーイは1898(明治31)年に山陽鉄道の急行列車が最初。彼らへチップを渡すと、指定席が満員でも融通してくれたらしい。職権を利用した「袖の下」のようなもんです。

一種の報酬であるチップとは違うんだが、日本にも「心付け」という習慣があります。旅館なんかの仲居さんに渡しておく。あれも慣れないとぎこちない。「ポチ袋」を持ってこなかったことを悔やんだりして、たいしたことでもないのに挙動不審になったりします。ガラにもなく高級旅館なんかに泊まるもんじゃない。ただアレも「心付け」なので気持ちです。あげてもあげなくてもサービスに変わりはない、と思っておいたほうが精神衛生上いいでしょう。

チップ文化が普通の米国で、それに一石を投じる記事が「SLATE.COM」というオンラインメディアに掲載され、ちょっとした議論になっているそうです。その著者は、チップは不快な習慣と断じ、客にとっても従業員にとってもいいことはなく人種差別にもつながりかねない、と主張している。米国では各州によってチップ支払いへの対応がまちまち。スターバックスなどでは法的な混乱も起きている。チップの代わりにサービス料を上乗せした支払料金を設定し、それによって従業員の給料を上げればいい、というわけです。

ホテルのベッドメイキングなどでは、欧米でも置く人と置かない人が分かれる、という話もあります。何かエクストラの仕事を頼んだときだけ渡す、という人も多い。ようするに相手の職業や職種により、給与所得が低いかどうか、もうわからなくなっているらしい。それならちゃんとした給与をもらっているという前提に立って一律、チップは廃止したほうが合理的だ、という理屈なんだが、日本ではとっくにそうやってます。ただ今後も同じ環境でいられるかどうかはわからない。チップがなければ生活できない人が増えないようにしないといけません。

のほほん☆Boston★
ホリデーチップを渡そう


日本「実際、欧米人に向かって気軽にFuck Youって言ったらどうなんの?」
劇訳表示。
ココ、海外の掲示板を紹介するサイトです。こないだ神奈川県のテレビ局(TVK)に、英語の卑猥な言葉、いわゆる「four letter word」つまり「cunt」とか「fuck」とかいう言葉ですな、そんなのがプリントされた服を着た芸人が出て英語圏で問題視され、日本のネット上でも話題になりました。実際「Fuck You」ってどれくらい相手を刺激する言葉なの、という疑問に英語圏のネット住人らが応えています。しかし、罵倒する言葉の内容や意味は言語によって少しずつ違うらしい。「Fuck You」ってのは直訳すれば「おまえを犯せ」ってことなんだが、こういうのって日本語にはないですな。

冬の入浴、「ヒートショック」に注意 危険な「脱衣所」と「湯船」の温度差
官庁通信「今日の話題」
最近はトイレ用の暖房機器なんかも出てるんだが、急激な温度差は心筋梗塞や脳梗塞などを起こすかもしれません。この記事では、温度差の特に激しい入浴時について注意を喚起しています。寒い場所から熱い湯船に入ると、もうそれだけで心臓や血管にストレスを与えているのがわかる。熱いお風呂の好きな人はご用心、というわけ。この記事によれば、入浴中に心肺機能停止となる人の数は、1月に多く最も少ない8月の約11倍だそうです。

Japan tsunami exacerbated by landslide
PHYS.ORG
東日本大震災の津波は、地滑りによって激化した、という研究結果を紹介している記事です。こうした地滑りによる津波は、あまり大きな地震ではなくても生じることがあるらしい。地震の規模を過小評価すれば、大きな津波を予測できない可能性がある、ということです。東日本大震災の津波は、複数の波形で押し寄せてきたんだが、これは地滑りが何カ所かで起きていたことによる、と書いている。こないだ、関東沖のプレートがジリジリゆっくりズレ戻っている、というような見解が国土地理院から出たんだが、地滑りとの関係も気になります。

サミュエル・L・ジャクソン出演! アニメ『A KITE』のハリウッド実写リメイク版予告編
KOTAKU 日本版
こうした、少女がオッサンの力を借りて父親の敵討ちをする、という設定は、けっこう古典的なものです。オリジナルに近い代表作はジョン・ウェイン主演の『勇気ある追跡』(True Grit、1969)でしょうか。新作が期待されるコーエン兄弟が監督した『トゥルー・グリッド』(2010)がリメイク版。この記事で紹介されている映画も同じような設定です。ただまあ、少女が強過ぎ。この子、オリヴィア・ハッセーの娘のインディア・アイズリー(India Eisley)ちゃん。布施明のほうの子じゃないらしい。どうやら母親似でもないようです。


アゴラ編集部:石田 雅彦