「毒舌タレント」が重宝されるワケ

2014年02月12日 14:43

嘘も方便、なんてことを言うんだが、我々の周囲には嘘か本当かよくわからないことがたくさんあります。重要なことから取るに足らない些細なことまで、虚実が入り乱れて判別不能。ネットでいくらググっても玉石混淆でわかりません。しかし、重要なことはそれほど多くない。逆に言えば、嘘でも本当でもどちらでもいいことがほとんどです。昨今、話題の「ウソつきベートーベン」にしても、いったい何が問題なのか、首を捻っている人もいる。ダマしたほうが悪いのか、ダマされたほうが悪いのか、どうでもいいことを騒ぎすぎるというわけで、作品が良ければ作者が誰かなんて問題じゃない、ということでしょうか。


芸能界やテレビの世界も虚構にまみれています。バラエティ番組などではよく「毒舌タレント」がもてはやされるんだが、ズケズケと「本音」を言ってくれるのが聴視者にとっても痛快だからです。マツコ・デラックスや有吉弘行、デビ夫人、坂上忍なんかがその典型。昔なら野村沙知代やビートたけし、などなど。最近の番組構成は、こうした「毒舌番組」が中心になっています。

しかし、番組制作側から考えれば、あまり本当のことを言われても困ります。結果、業界の裏ネタバラシばかりになり、視聴者に飽きられる。業界の内輪ネタに偏らず「言っちゃいけないこと」を本番では決して言わない安心感が彼らが起用されるキモでしょう。そうした意味で、毒舌タレントは「どうでもいい本当のこと」しか言いません。バラエティ番組で深刻で重要な本当のことを指摘されても困ってしまうでしょう。「どうでもいいことだけどなんとなく知ってた」事実を暴露するのが「毒舌タレント」の存在意義です。「毒舌タレント」はけっして重要なことで本音は言いません。

つまり、バラエティ番組には言ってもいい本当のことしか出てこないんだが、視聴者のほうも共犯的にワザとテレビにダマされていたりします。「お涙頂戴もの」にありがちな嘘も方便も予定調和な演出だったりする。テレビのバラエティ番組で毒舌タレントが重宝されるのは、この「どうでもいいこと」に対して毒を吐くからです。それが視聴者のカタストロフィになってもいる。

また、本当のことというのは案外つまらない内容だということも少なくありません。重要なことは表に出ず、取るに足らないものしか公にならないことも多い。さらに、本当のことは知りたくない、という人もいます。そんな中、重要で知りたいこと、どうでもいいこと、知りたくないこと、という区分けがあるとすれば、ジャーナリズムがいったい何を明るみに出す役わりを担わされているか、よくわかります。

池上彰のように政治や社会の問題について鋭くわかりやすく解説をし、政治家の素顔や嘘などをテレビの生番組であばくような「毒舌タレント」はごく少数です。以前は、筑紫哲也とか久米宏なんかが、政治や社会に対して「毒」を発散しまくっていた。しかし、池上彰にしても「みんなが知るべき重要なこと」ばかり明るみに出しているわけじゃない。NHK出身らしく表現はオブラートに包まれ、遠回しでわかりにくい皮肉も少なくありません。

こうした存在がごく少数になっている理由は、視聴者からの要請です。「毒舌番組」に比べると「重要なことを教えてくれる番組」は驚くほど少ない。どうでもいいことしか見たくも聞きたくもない。どうしてもやるなら婉曲な表現でやれ。視聴者は正直です。重要だとしても、あまり重たくて深刻な問題に真正面から取り組むほど、視聴者はヒマでも自由でもありません。政治にしても有権者は共犯的にうまくダマしてくれる政治家を探しています。嘘ならうまくついてほしい。しかし、そうした政治家も少なくなっているようです。テレビにせよ政治の世界にせよ、タレントも政治家も聴視者も有権者も質がかなり低くなっている、というわけです。

世界は数字で出来ている
吉野紗香、有吉弘行に皮肉「毒舌が受けられられる良い時代ですね」


羽田空港の国際化で東南アジア路線を中心に、早朝・深夜の発着便を充実させるということで、日帰り出張が可能になり、脱中国の流れが加速する。
株式日記と経済展望
こないだの大雪では、成田空港が「陸の孤島」化したんだが、いろいろ交通手段が整備されてきたとは言え、やはり千葉あたりの人以外にとって成田はまだまだ遠いですね。それに比べると羽田空港は近い。沖合へどんどん滑走路が広がり、国際線が24時間化もされて利便性もどんどん高まっている。ただ、羽田の国際線ターミナルはちょっと狭いですね。拡張されるそうなんだが、そうなるといよいよ成田に差が付きそうです。しかし、だからといって、海外へ「日帰り出張」させる、という企業はどうなんでしょう。ヒドい会社だと、早朝に羽田に着いたらそのまま出社しろ、なんて言いそうだ。ご自愛ください。

着るだけで心拍測れる新素材 NTT・東レが開発
健康美容ニュースブログ
先日の当コーナーで日本のブラジャーメーカーが、心拍数でホックが外れたり外れなかったりするブラジャーを開発した、という記事を紹介したんだが、これも同じような原理なんでしょうか。スマホへデータを送るようになっているらしい。写真をみると、新素材、というより肌着にコードが埋め込まれているみたいです。それにしても、洗濯機で30回くらいしか耐用できない、というんじゃ実用化は難しそうです。

徹底調査! 詳しく業界研究をする5つのポイント
ビーカイブ
就活してるといろんな人がいます。やみくもに有名企業ばかり挑戦する人もいるし、地味で無名でも堅実な経営の企業を探している人もいる。しかし、企業の好不調なんて数年でガラリと変わります。単に経営者の気まぐれで業績が低迷することなんて珍しくない。おおざっぱに自分が行きたい「業種業態」をまとめてから、個別企業に絞っていく、というのが正攻法なんでしょうか。この記事では、まず市場規模から業界の内部、歴史などを押さえつつ、個別企業の戦略なんかを調べていけ、と解説しています。

The Fall of Singapore and Railway of Death
THE DIPLOMAT
大英帝国の「植民地」だったシンガポールについて書いている記事です。1930年には英国の貿易額の23%が、シンガポールを経由していたらしい。栄華を誇った英国におけるアジアへの門番がシンガポール、というわけなんだが、太平洋戦争が始まり、アジアでの制海権の切り札だった英国海軍の戦艦プリンス・オブ・ウェールズと重巡レパルスが旧日本海軍機に撃沈されると、その命運も潰えます。「銀輪部隊」と呼ばれる山下泰文将軍麾下の自転車隊が、日本陸軍指揮のブリッツをやってのけた。熱帯の密林ならではの戦術なんだが、英国に連れてこられた華僑憎しのマレー人なんかは「敵の敵は味方」とばかり、日本軍を陰日向に援護してくれたらしい。1958(昭和33)年のアカデミーで作品賞、監督賞、脚本賞を受賞した映画『戦場にかける橋』についても書いています。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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