医者や弁護士にはお金を払うのに、なぜ金融相談は無料なのか? --- 内藤 忍

2014年02月14日 15:12

ビジネスやプライベートでトラブルに巻き込まれたら、弁護士に相談します。体の具体が悪くなったら、医者に行って診てもらいます。このように専門家の人に助けてもらうことによって、自分一人よりも迅速かつ効果的に問題を解決することができます。

では、資産運用の世界はどうでしょうか?


FP(ファイナンシャルプランナー)に相談するという人も増えてきましたが、まだ資産運用について専門家にお金を払って相談するという人は少ないようです。

金融に関する相談は無料が当たり前という一般的な認識が、原因の一つだと思います。

投資の相談は銀行や証券会社の窓口で親切にやってくれますし、駅前には保険の相談を無料で引き受けるお店が乱立しています。

しかし、そのような無料の相談窓口も運営しているのは営利企業です。本当に無料でやっていたら、人件費や店舗のコストは賄えません。無料相談の結果、購入してもらう金融商品や保険の中に相談料が、さりげなく上乗せされているのです。

例えて言えば、90万円の商品を、無料相談の結果100万円で買っているようなものです。であれば、5万円払って専門家に相談して、90万円のより良い投資方法のアドバイスをしてもらった方が本当は良いのです。

「タダほど高いものはない」というカラクリに気が付いている人は、日本ではまだ少数派です。

医者や弁護士のように、「お金の専門家」に相談するという習慣が広がらないもう1つの理由は、専門的な知識を持った人が、まだ少ないからです。「ヤブ医者」や「ヘッポコ弁護士」に人が集まらないように、資産運用の知識を持たない専門家にお金を払って相談したい人はいないのです。

資産運用の世界で言えば、今や株式、債券、投資信託、REITといった金融商品だけではなく、ワイン投資、国内不動産、海外不動産、太陽光投資、などなど幅広い投資対象があります。すべてのエリアに完璧な知識と情報を持つ必要はありませんが、少なくともそれぞれの分野について最低限の知識を持っておかなければ、最適な資産運用のアドバイスはできません。

銀行員は預金と投資信託には詳しいですが、それ以外はからっきし知りません
証券マンは株、債券、投資信託などの金融商品にフォーカスしています
国内の不動産会社の人は、ドメスティックな不動産市場しか知りません
海外の不動産会社の人は、自分が担当している国の不動産市場が知識の中心です
ワイン投資の専門家はワインの知識に特化しています
太陽光の専門家は日射量や太陽光パネル以外のことは知らなかったりします

このようなエリアの異なる投資機会を横断的に比較し、リスクとリターンから組み合わせをしていくような、「インテグレーター」としての能力がなければ、充分な資産運用アドバイスは出来ないと思います。

お金の世界というのは、医者が患者を治すように目に見える世界になりにくく、良いものと悪いものの違いが見えにくいものです。

しかし、複雑化する世の中において、これから益々「お金の専門家」の活躍の場は広がると信じています。日本にはまだほとんどいない真の意味での「お金の専門家」。自分自身を磨くと共に、一般社団法人を通じた人材の育成も引き続き続けていくつもりです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年2月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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