え?TSUTAYAがサプリやるの?

2014年04月17日 13:00

今週の週刊東洋経済、面白いですね。テーマは「本業消失」。常見のアニキは「童貞喪失みたいだ」とお気に召さなかったようだが(笑)、富士フィルムを象徴的なケーススタディとして取り上げ、市場変化でドル箱の自社事業が衰退するや、果敢に業態を変更する経営について考えさせられる話だった。サプリやってるなんて知らなかったな。お、サプリで新規事業といえば、昨日、TSUTAYAでおなじみのCCCグループが新たに異業種参入するということで、記者会見に取材してきたので、その感想を簡単に。


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◆CCCグループが乗り出す新事業
あ、先に行っておくと、TSUTAYAが別にビデオや本屋を辞めるわけじゃないからね。確かにレンタルビデオや書店の市場自体は飽和~衰退フェーズに入っていて、今は動画配信のサービスも拡大していたり、TSUTAYAもネット宅配レンタルサービスを強化していたりする。だからAVを借りるにも、女の子のバイトがレジにいるのをみるやバツの悪さを感じて、野郎に交代するまでモジモジ時間を稼ぐというリアル店舗の面倒さも今や懐かしい話だ

しかし、そういうご時勢にあってもなお、CCCグループはインターネット事業と並行して、リアル店舗をいかに面白くするかにも注力していて、書籍・雑誌の売上高は伸びている。六本木ヒルズしかり、代官山しかり、佐賀・武雄市図書館しかり、カフェ併設の大型店舗(リニューアル含む)は話題を呼び、新しい需要を掘り起こしている。そんなネットとリアル双方で、大胆な施策を打ち続けるCCCグループが、今度はサプリメントに乗り出すというのだ。

昨日(16日)の日経がお家芸のフライング芸により、朝刊で小さく報じているので、事業概要については、まずはそれから。

CCCが健康食品販売 サイトで17種類
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は16日、健康食品の販売を始める。グループ会社のサイトでビタミンCや鉄分を補給する17種類の商品を扱う。価格は30日分で2000~4000円。5年後をめどに50億円の売上高をめざす。

サイト上で70の質問に答えると体調や体質に合った商品を提案する。20~30代の若い女性の需要を見込む。健康食品の企画・販売はCCCのグループ会社のTヘルスケア(東京・渋谷)が担う。健康食品に関心がある人は増えているが、選び方が分からないとの声は多い。CCCはネット関連事業などで培ったノウハウを活用。独自の商品提案で他社の通販サイトとの違いを打ち出す。

◆ターゲットは団塊ジュニア
え?今更サプリ?ファンケルとか、あるんじゃねーの?そう思った人も多いだろう。いや、ぶっちゃけ私も当初はそう思った。

ただ、ちょっと調べてみると、サプリも含めた健康食品はこの成熟社会にあって数少ない「成長市場」である。12年の推定規模で1兆4,746億円(インテージ調べ)。高齢化でまだまだ伸びる気配だ。年々膨張する医療費の抑制という社会的ニーズもある。安倍さんの規制緩和策で健康食品の機能性表示解禁の動きという「追い風」もあって、外資参入も含めてレッドオーシャンになる可能性が高い。

CCCはその点、団塊ジュニアの女性層をメインターゲットに据えて差別化している。我々もそろそろアラフォーになってきて、周りの同年代の女性を見回すと、「不定愁訴」だらけだ。あの人は「何となく肩が痛い」と嘆き、この人は「頭が痛い」とボヤく。病院には行くほどではないから厄介。いや私だって腰痛にイライラが絶えない。お試しで新サイト「Pitali」(ピタリ)での問診を受けてみたら、よく出来ている分、「精神が不安定」等とロクでもない結果が出てきてガックリだ(泣)。とはいえ、Tヘルスケアの大塚健史社長が、自身も体を壊した過去を記者会見でぶっちゃけた上で「家族を持つことによって自分自身の健康だけでなく、大切な人のため考えが変わった」と語るように、健康管理はマナーのひとつとして自戒する機会になった。

※Pitaliの診断画面より。げっ、これじゃメンヘラじゃん(汗)
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◆コンテンツに責任を負う
さて、引用した記事では太字にした箇所があるが、実は朝刊ではバッサリ削られていた。しかしここにCCCの「勝算」があるように思う。レンタルDVDやネット周りといったメディア関連事業で培ったノウハウを生かし、グループ企業とのコラボも検討しているようだ。リアルには千数百の店舗があり、バーチャルにはTポイントがあるしね。しかもメディアでサプリ販売するにとどまらず、大手製薬会社などを渡り歩いたベテランの薬剤師を招聘し、自社でサプリ製品を開発。Tヘルスケア側は「自分たちが納得してできるものを売りたい」(大野孝司取締役)と意気込むのが目を引いた。

※記者会見で新事業の意義を語る大塚社長
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この辺、プラットフォームに軸足を置くIT企業が、コンテンツに責任を負うのに消極的なのとは違う姿勢を感じて興味深いです。やっぱりリアル店舗から成り立ってきたDNAかもしれません。なるほど。今後、健康食品の規制が緩和されれば、競争激化で市場は一時的にカオスになるだろうが、自分たちが責任とリスクも負った自信作ならば勝ち残れるという覚悟を感じます。あまり健康食品系は興味なかったけど、異業種参入のニュースは分野を問わず、ワクワクしますね。今後の推移を生温かく見守りたいと思います。ではでは、

新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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