労働市場改革は単なる賃下げ策ではない --- 城 繁幸

2014年09月16日 17:33

民主党の元厚生労働副大臣さまが妙なことを言っておられるので紹介。
なんというか、民主党という政党の本質がよく出ている。

長いので要約すると、

安倍政権の進めるホワイトカラーエグゼンプションや金銭解雇といった労働市場改革は、賃下げで労働生産性を上げる政策であり、賃下げで賃上げを目指すという矛盾した政策である。

というもの。


WEは人件費を労働時間に応じて払う→成果に応じて払うだけの話で、金額自体がどうこうという話ではない。金銭解雇は労働市場の過半数を占める中小企業労働者にとっては事実上の解雇規制強化であり、セーフティネットでもある。また大手企業は終身雇用コストが低減することで短期的には賃上げ余地が増加する

という点を踏まえるとその批判は完全に的外れだ。そもそも、労働生産性を計算するときは一般的に賃金は分子にカウントされるので賃下げで労働生産性が上がるというロジックがよくわからない。

企業の現場を知っている人なら、誰でも以下のような点に心当たりがあるはず。

何をしているのかわからないけれども、新人や派遣社員の3倍の給料をもらっているオジサン。
なぜ必要なのか、どういう意義があるのか誰も説明できないけど惰性で続いてる仕事や組織。
ちゃっちゃっと仕事を終わらせて定時で帰ろうとすると「おまえ、やる気あるのか?」と詰め顔するバカ上司。
「ボーナス減ったから、今月から月50時間生活残業するわ」というバカ同僚。

そうした無駄をなくし、貰いすぎの人は賃下げし、年齢や雇用形態を理由に報われていない人は賃上げし、無駄な仕事は減らして人手不足の職場に移りやすくすることが、労働市場改革の狙いである。厚労相の人選などを見ると、一応、安倍政権は進むべき方向性は理解しているようには見える。

というわけで、いまだにそういう方向性が理解できないというセンセイ方はもう政治家なんて辞めて、すき家とか人手不足の職場に転職されるのがいいんじゃないでしょうか。たぶんそれが皆さんにお出来になるであろうもっとも確実な「日本の労働生産性向上策」だから。


編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2014年9月16日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった城氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。

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