アメリカ人の誤解している「性奴隷」

2014年11月01日 13:26

朝日新聞が、久しぶりに味方が出てきたので、張り切って英語版でも記事を書いている。ナイとアーミテージの話だ。

Joseph Nye, a former U.S. assistant secretary of defense, warned that any move by Tokyo to revise the 1993 Kono statement of apology to former “comfort women” will only undermine Japan’s national interests.


ここでナイは「河野談話の見直し」を牽制しているが、日本政府はそういう方針を表明したことがない。菅官房長官は河野洋平氏のコメントを取り消すことを検討し、外務省は国連の報告書に訂正を求めているだけだ。人身売買については、すでに1992年の加藤談話で謝罪し、アジア女性基金で非公式の賠償もした。

河野談話には「強制連行」も「強制」も書かれていないし、朝日新聞も強制連行が嘘であることは事実上認めた。だから彼らが過去の強制連行の記事をすべて撤回して世界に謝罪すれば、この問題は(論理的には)終わりなのだ。アーミテージはこういう。

Armitage compared the comfort women issue with the history of hardships facing blacks in the United States, saying America will continue to apologize for their unfair treatment.

「性奴隷」という言葉にアメリカ人が反応するのは、黒人奴隷についての彼らの罪悪感を刺激するためなのだろう。アメリカがこれからも謝罪し続けるのは当然だ。1500万人の奴隷を「強制連行」して、その所有権を憲法で公認していたのだから、これはホロコーストにも比すべき大規模な国家犯罪である。

それに対して日本では、奴隷も人身売買も公認されたことはない。慰安婦の多くは年季奉公であり、これは職人や丁稚にもみられる古くからの慣習だった。これを”indentured servitude”などと訳すのが間違いのもとで、これは黒人の場合は期限つきの奴隷のことだ。しかし年季奉公は一種の徒弟修行で、多くの場合は本人も合意の上で奉公に出た。

もちろん娼婦が悲惨な職業だったことは事実である。戦前には梅毒は不治の病だったので、年季の明ける前に死ぬ娼婦が多かった。それを「強制」したのは、日本軍でも総督府でもなく、朝鮮半島の貧しさなのだ。無知なアメリカ人が西洋のカテゴリーにあてはめて、日本人を侮辱するのはやめてほしいものだ。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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