高給・快適キャリアを目指すなら世界銀行がおすすめ --- Nick Sakai

2016年04月24日 06:00

もうすぐ5月ですね。就職したばかりのフレッシャーや、これから就職する大学・大学院生の皆さんが、自分のキャリアについて思い悩む季節です。運良く大企業に入っても、昔と違って、我慢すれば偉くなれる時代ではないし、いつ会社が傾いてリストラされるかもしれないですから、悩むのも当然です。特に、文 系大学院に進んだ方は、そもそも新卒での採用が簡単でないという現実があります。

バブルの頃は、上位国立・私立大学に入りさえすれば、あとは企業を選んで、年功序列・終身雇用のなかで、一生懸命頑張れば良い役職と給料が貰えました。先輩社員の背中を見ていれば、5年、10年、20年先の自分の人生が見通せた良い時代でした。今は、会社の将来も日本の将来も全く不透明です。10年後に、自分の10歳上の人と同じ給料を貰えるか解りません。それどころか会社自体が無くなっているかもしれない。だから安定を目指して医学部や公務員を狙う学生が多いのも頷けます。

でも、「日本しばり」を外して、世界に目をむければ、経済は着実に成長しているので、良 い仕事は間違いなく増えています。

快適に、たくさんお給料を貰って、やりがいのある仕事をするという道は、昔より見えにくくなっているだけで、確実に存在するのです。

今も「国際的な仕事」の人気は高いですが、知識の限られている学生さんの目指すところは大体決まっていて、JICAやJBIC、ジェトロや商社といった解りやすい企業を目標に立てがちです。また、初任給の高さに惹かれて、マッキンゼーやボストンコンサルティング、ゴールドマンサックスといった外資民間企業を目指す人も多いのです。

でも、かならずしも解りやすい選択が正しいとは限りません。人生は、「世間体のいい会社に入るのがゴール」という短距離走で はなく、長距離走です。大切なことは、60歳になるまでの30-40年間を、バランスの採れたキャリアを歩むためのロードマップを作って、長期目標を設定して、そこから逆算して今何をすべきかを考えることです。

そこで、私は例として、ひとつのゴールを提案します。米国ワシントンを本拠とする世界銀行に35-40歳で「専門職員」として就職することです。私の知り合いが20人くらいそのキャリアを歩んでいます。勤務地は本部の他に、シンガポールやベトナム、インドネシアであったりもします。

何故世界銀行かというと、まず給料がいい。世界銀行の専門職(35-40歳くらいでの中途採用。新卒採用はない)の「初任給」っていくら位だと思いますか ?実は世界銀行は、本給テーブルをウエブサイトで公開しています。「初任給」という一律の金額はないのですが、総合職の一番低いレベルの中位給与は10万7300ドル(1200万円)です。これに福利厚生費や諸手当がつくので、大体1400万円になります。さらに、世銀職員は外交官待遇なので、所得税や住民税、社会保険料を払う必要がありません。20年後の日本の税率を30%として、日本で名目2000万円貰っている人と同じ手取額です。40歳で2000万円ってそうそういないですよね。JICA40歳職員の手取りはよくて700万円。約3倍です。

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次に、仕事の量は日本企業より少ないです。それに理不尽でもない。世銀職員が語るには、「世銀の待遇については、福利厚生や年金制度もしっかりしているし、上司と相談のうえ、勤務形態(遠隔勤務やフレックスタイム、自宅勤務など)を選択することも可能です。何よりワーク・ライフ・バランス(仕事とプライベートのバランス)を大事にする文化があり、総じてフレキシビリティの高い、働きやすい職場だと思います。おそらく日本の同年代のサラリーマンや公務員と比較したら、とてもいい条件です。」

もちろんそれなりのハードワークのようですが、日本のように意味なく深夜まで残業とか、外資金融・コンサルのように、徹夜続きということはないそうです。ちなみに英語はネイティブである必要は全くありません。同僚もお客さ んもたどたどしい英語を話す人が多いとのこと。

さらに仕事が面白いことです。何せ外交官待遇ですから、途上国や新興国の大臣級と折衝したり、経済・社会のあり方を一緒に考えたりというスケールの大きな仕事ができます。

最後に入りやすいことです。意外かも思われるかもしれませんが、世界銀行は国連組織の一部なので、出資比率に応じて国籍別に定員が決まっていて日本は大株主で、枠が多すぎて余っているのです。日本人はこうした宝の山を知らないのであまり応募しないのです。だから、世界銀行の人事は日本人を採用しようとして、日本語のリクルート・サイトを作ったり、リクルーターを日本に送り込んだり、日本語での就職セミナーを開いたりしています。 凄い応募倍率の中国やインドの人に羨ましがられます。

では、世界銀行に35歳で就職するために何が必要か?

まず、学歴です。修士号が望まれます。日本の大企業であれほど敬遠される、経済学や社会学修士がここでは重用されます。学士の方は通信教育や夜学でもいいので是非MBAを取りましょう。公認会計士や弁護士よりよほどコスパがいいです。

次に職歴です。世界銀行は電力や交通・都市開発などのインフラ案件が多いので、そういう分野の日系エンジニアリング・コンサルティング会社での経験が有利です。例えば日本工営とかパシフィックコンサルタンツとかでJICAの仕事を受注して、金融分析やデザインなどをするといいです。日本の大企業で途 上国担当は、どちらかというと人気のない部署ですが、実は人と違うことをするのが最大の生き残り戦略です。あえて、その会社でのメインストリームから外れてみるのはありです。もちろん戦略がなければいけませんが。

最後に、株式相場での格言を。「人の行く、裏に道あり、花の山」。是非、大勢に流されず、しっかりと目標を決めて、他の人と違う道を進んでください。

Nick Sakai  ブログ ツイッター

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