今週のつぶやき

2016年06月04日 10:11

北海道で大和君が無事見つかって良かったとまずは述べたいと思います。さて、今週は経済関係のニュースが多いのでそちらを中心に取りまとめてみたいと思います。

まずアメリカ5月の雇用統計ですが、これは酷かったの一言です。事前予想16万人増に対して発表されたのはわずか38千人増。ベライゾンのストライキが35千人影響していますがこれを加味しても労働市場は急ブレーキがかかっている状況です。更に輪をかけたのが前2か月分の雇用統計の下方修正で、4月分も123千人まで下げられました。

私は6月の利上げはもともとないと思っていましたが、これで封印した形となりそうです。ドルは他通貨に対して急落、円も106円台に突入しています。

次いでOPEC総会。期待していた減産合意はなされませんでした。背景を深読みすればサウジはアメリカのシェールオイルを徹底的に潰したいように見えます。サウジの石油相が今春ヌアイミ氏からファリハ氏に代わりましたがこれはその世界の人には衝撃的ニュースだったと思われます。サウジの石油に対する覇権能力を一旦放棄するつもりなのか、とも取られたからです。

ヌアイミ氏は石油相として21年も君臨し、極めて大きな影響力を持っていた一方、ファリハ氏はどう見ても強権者、ムハマンド副皇太子の操り人形、そしてムハマンド氏は中東の力学を見据えた指示を出していると思われます。とすればイランにも譲れず、今回合意達成できなかったというのは私の完全な後付け解釈であります。

但し、石油の需要は今後、回復が見込まれており、年初からはずいぶん価格は上昇しています。年末には60ドルとの予想もあることから今回のOPECに対する期待も2月ごろの状況とはかなり違っていたことは事実です。

日本の株式と円相場について触れておきましょう。これも後解釈と思われるかもしれませんが、基本的にはイベント終了による「宴のあと」とみています。円ドル相場については私はチャート上、円安は111円が一杯いっぱいとみていましたので円高への反転は自然なものに映ってみえます。6月のFOMCでアメリカが利上げをしなければ短期的に前回の円高局面である105円台から100円を目指す公算はあるかと思います。

日本の株式についてはボラが高すぎる気がします。ここまで安定感がないのもどうかと思います。前回も指摘したように東証一部は利益を取りにくい状態が続いており個人を含め、期待感が下がっているという声も聞こえてきます。

一方、7割が個人投資家を占める新興市場では日替わりの「ヒーロー」が次々と現れ、翌日には消えていくギャンブルと化しています。政府が2年ぐらい前からNISAなどを通じて株式市場へのお誘いをしているにも関わらず一部のオタクとプロフェッショナルの人たちの「道楽倶楽部」と化したように感じます。正直、株式市場の魅力はかつてに比べて半減です。これは東証もほとんど手を打たなかった責任はあるでしょう。

ところで消費税増税延期を決めたことで「日本の財政は本当に大丈夫なのか?」という声が内外から出ているようです。ウォールストリートジャーナルは延期は失敗と捉えているようですし、格付け機関のムーディーズも厳しいことを言っているようです。

私は日本のバランスシートをもう一度じっくり見直してもよい気がしています。国債依存率は2010年が48%でしたが16年は35%程度まで改善しています。2010年とは民主党の時代であります。改善した理由は経済の回復による税収増と8%への消費税の増税が効いています。

私の手元に財務省が作成した「これからの日本の為に財政を考える」という冊子(日本語版と英語版)があります。消費税を上げるための財務省発の教育的冊子だったと推測します。この中の歳出をみると「債務償還費」が16年度予算で13.7兆円組み込まれています。これは何かというと国債償還60年ルールに基づき国債整理基金特別会計に移しているお金です。ぶっちゃけ国債の返済資金ですから一般企業で言う元本返済に当たります。

こう考えると「歳入」、「歳出」というのは一種のキャッシュフローであって一般的な収支ではありません。企業の収支ベースでとらえると収入は62.3兆円、支出が83.2兆円で差額が20.9兆円となりこれが国債に頼る部分となります。この比率(=国債依存率)は25%ぐらいですから日本の財政は見方によっては色が変わるように思えます。

日本人は割と悲観論と「最悪のシナリオ」を重視しすぎるきらいがあります。(時として踊り狂いすぎるきらいもありますが。)円が高くなったら悲しみに暮れるのではなくどうしたらポジティブの風が吹くか考えることが大事ではないでしょうか?財政も同様です。安倍さんがどこから持ってきたかわからない資料で「リーマンショックと同様のリスクがある」とG7で位置づけるぐらいの無茶な論理性をかざすなら、日本ほど健全な国はないという資料もどこから探せるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。良い週末をお過ごしください。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 6月4日付より

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