舛添知事 辞任の考察

2016年06月16日 10:07

驚異的な粘りを見せ、辞めないと言い続けていた舛添氏が遂にギブアップしました。都政の停滞、これが舛添氏にとっての辞任への自己論理だろうと思います。これ以外に思いつきません。

今になってポロポロと出てくる「舛添さんはまとめる能力が高かった」という都職員らからの声。オリンピックの負担費用問題への姿勢もプラス評価でしょうか。猪瀬さんのかなり恥ずかしいスタイルに比べて統率能力などはあったのかもしれませんが(あくまでも推測です。)、彼の評判を落としたのは韓国の朴大統領と会談で、日本にある韓国人学校が不足しているのでどうにかしてほしいという要請に安請け合いしたことに端を発したと思います。舛添氏はその後、新宿区市ヶ谷にある都立高校の跡地を無償で韓国人学校の用地として提供するとしてしまいました。

これは酷い話であります。まず、当該高校跡地は新宿区神楽坂近くでかなり価値が高く用途のオプションがたくさんあるエリア。わざわざそこに外国のために無償で提供するという発想は全くもって理解不能であります。自分の母屋の庭先を無料で他人に使わせるようなものでしょう。舛添さんの発想は東京都という知事の立場を利用し、東京都の資産を活用しながら自己の評判を引き上げるという自分のための知事であった点は否めません。

知事に選ばれた方々は一定の能力はあるでしょう。しかし石原さんは任期後半あまり登庁しなかったそうです。会社に来ない社長が外で威張っているのはおかしいですよね。猪瀬さんは作家であって自己管理能力が欠けています。そして舛添さんは知名度が高かったことが災いしました。つまり、有名人であることで都民の票が集まりやすい構図でしょうか。これは都知事選挙に始まったわけではなく国政選挙では頻繁に行われていた選挙対策でタレントばかり集まった時代もあったし、ホリエモンが推挙されたこともありました。

つまり、政治家と政党は党利党略のために著名人にぶら下がり、なんでもいいから票を、という姿勢がありありであり、選挙する民はそれに釣られてしまうということでしょう。小泉さんが総理になった時、主婦から圧倒的人気があったのはそのマスクと独身というステータスがフォーカスされ、「いいわぁー」という井戸端会議の呟きが伝播したものでしょう。そう考えると舛添さんを選んだのは都民であり、2連発で恥ずかしい思いをする都知事を選んだ都民も反省すべき点はあるでしょう。

では、どうしたらよいのか、ですが、個人的には立候補者の表面的履歴ではなく、内面的な思想、性格、行動力、社会貢献力、自己管理能力をきちんと分析し、メディアを通じて公表すべきではないかと思います。議員は財布の中身を公開させられていますが、私はそんなものは見ても意味がないと思っています。「あの人は金持ち」、「この人は預貯金ゼロなのね」、「へぇ、こんな株を持っているんだ」、「山林なんてどうなの?」など公開内容に抜け道がいくらでもある中、資産開示がどれほど意味があるのか、単にのぞき見趣味なのかさっぱりわかりません。

それより行動力でしょう。企業の社長はどうやって選びますか?長年の事業の功績や仕事を通じて慎重に議論され、選ばれていきます。社長を公募制度にする会社がないとは言いませんが、うまく行ったケースはほとんどなかったと認識しています。

都民と知事の関係は株主と社長の関係に近いと思います。社長が会社の資産を他人にタダで使わせればそりゃ株主は文句を言います。社長が公費と称し会議費用を使えばだれと会議をしたのか、開示するのは当然です。もしも明かせないほど極秘の打ち合わせなら足がつかないよう自分のお金で処理するものです。能力のある社長ほど公私混同はしません。

次の都知事候補をどう絞り込むのか、これは見ものです。知名度より実績、そして信頼感と行動力でしょうか。私は企業経営経験者も面白いと思います。

最後に、この時期に都知事がまた辞任したのは確かに痛手です。大金をかけて選挙をしなくてはいけないプロセスもばかばかしいの一言です。が、高い授業料をはらった都民としては次こそ間違いない方を選出してもらいたいものです。オリンピックよりも数多くの難問を抱えている都政は相当の指揮者ではないとかじ取りは難しいと思います。

では今日はこのぐらいで。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 6月16日付より

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