内部事情を言い訳にすると信用を失う!

2017年05月27日 06:00

私は私生活では滅多に法律論を出したり、自分が弁護士である旨を伝えるようなことはしません。多くの場合、嫌われたり敬遠されてつまらない思いをするからです(笑)

しかし、次のような場合だけは、徹底的に懲らしめるようにしています。

先般、家電量販店で重量のある電気製品を買って届けてもらうことになりました。約束の当日、届けに来た人が、ドアのサイズをメジャーで測って「これは大きすぎて入りません」と言ってサッサと帰ってしまいました。配達時間が遅れて食事中だったので、「まあ、仕方ないか。小さいサイズに変更するか」と渋々納得したのですが、後から搬入する方法がしっかりあることに気づきました。

量販店の担当者にその旨連絡して再配達を求めると、「配達は別の業者を頼んでいるのでお約束は出来ません」「それはウチではなく業者の責任です」などと言い訳をするので私はキレてしまいました。

「私はオタクと契約をしてオタクに搬入を頼んだのです。別の業者を使うのはオタクの勝手だけど、オタクと別業者とのトラブルは私には関係のないことです。内部の事情で外部の相手に迷惑をかけてはいけないというのは法律の常識ですよ」と厳しく諭してしまいました。

これは、会社の代表取締役が取締役会の決議に背いて第三者と取引をしてしまった場合、会社が善意の第三者に対抗できないのと同じです。会社の内部のトラブルで外部の相手に迷惑をかけることは許されません。

ところが、「業者が…」とか「社員が…」という言い訳が世の中では頻繁にあるのです。私個人の経験でも「別業者の責任で」という言い訳を3、4回は聞かされていますし、ひどいところだと「退職した社員の責任でして」というところもありました。その度に、キレて厳しく諭してきましたので、今まで最低4、5回は法律論で私生活の問題をねじ伏せて来たことになります(汗)

もしかしたら、「別の業者の責任でして」という言い訳で渋々納得させられている人たちが案外多いのではないでしょうか?いつもそれで通してこれたのに、たまたま私に当たったのが不運だったのかもしれません(笑)

自分の支配領域の問題で外部の相手に迷惑をかけてはいけないというのは、法律の大原則です。従業員が迷惑をかければ会社は使用者責任(民法715条)を負いますし、代表取締役の権限濫用行為も善意の第三者には対抗できません(民法93条但書類推適用)。子供や飼い犬が迷惑をかけた場合でも、原則として本人が責任を負わなければなりません。

ですから、どんなに事情が苦しい場合でも自分や自社の守備範囲内の問題を言い訳にしないよう気をつけて下さいね。ただ、素直に謝罪しましょう。私のような相手でも、「全ては弊社の責任です。誠に申し訳ありません」と素直に謝られれば、決してキレたりしませんから。

荘司 雅彦
2017-03-16

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年5月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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