この4年間を振り返って:川松真一朗、全力のお願い

東京都議会議員としての職責を皆様にお与えいただき、早いもので4年が経とうとしています。このたびの選挙戦に挑むにあたり、改めてこの1期4年間を振り返るとともに、今後の4年間に向けても想いをまとめました。
ほんの少しだけ、お付き合いいただけると幸いです。

私が初当選した2013年から2017年までの間、東京都知事は実に3人ものトップ交代となりました(猪瀬直樹知事、舛添要一知事、そして現在の小池百合子知事)。およそ291万票もの有権者の支持を得て、新たなかじ取りの担い手となられた小池知事には、時には論戦を交えながらも、共に東京都民の皆さまの幸せを願い、行動する都議会議員の一員として多いに期待するところであります。

一方で、このたびの都議選では対決色ばかりがクローズアップされています。なぜ、そうなってしまうのか。そう思わせてしまうのか三つの視点で振り返りたいと思います。

一点目は、この4年間、私たち東京都議会は有権者の皆様、そして納税者の皆様に胸を張れる議会であっただろうかということです。3年前の2014年、いわゆる「東京都議会やじ問題」が起きました。当時は私も当選から丸1年経つか経たないかの頃でしたが、今になって振り返ると1期目や2期目、あるいは3期目。そんな回数は関係ありません。127ある議席を皆様からお預かりする一員として、改めてその責任を痛切に感じます。

都議会はいったい、何をやっているのか。税金の無駄遣いだ。そうした叱責の数々を受け流すのではなく、一人ひとりの声を真摯に受け止めなければならない。

このたびの任期満了を迎えるに当たり、改めて感じます。

二点目は、私たち東京自民党は、これまでの都知事選において真に皆様の、この東京に住まい、日々を営む皆様の願いや希望、そういったものに寄り添えていただろうかということです。

一年前の東京都知事選で、ある一枚の触書が一躍話題になりました。私のところにも苦情やお叱りの声が殺到いたしました。

いつから自民党の政治は、そんなに冷たくなってしまったのか。
東京都連は、都民に寄り添う存在じゃなかったのか。

当時、皆様からいただいた言葉は今も耳に残っています。

そして三点目。つい先日のことです。政治家である前に、人として絶対にあってはいけない出来事が起きました。ある外国籍の私の知り合いは、都内にお勤めなのですが、実のお母さんから「日本はどうなっているの、大丈夫なの」そう心配されたそうです。

いや、恐らく心配なんかではないでしょう。日本の政治家の、いや、日本の政治そのものの姿勢が問われている。信頼を失っている。私はそう感じました。

国内だけじゃない。世界からも、そう思われているんだ。他人事ではないと、胸が痛みました。
そして国政だけの問題でもない。都道府県に市町村、すべての政治家という職責を預かる人が、我が身を振り返らなければいけない。そう感じました。

皆様にお願いをする前に、私たちの姿勢は果たして正しかっただろうか。
そして、これまでご支持を頂いた皆様に納得いただけるものだったろうか。
振り返らなければいけません。

先週6月23日に東京都議会銀選挙が告示され、9日間の戦いが始まりました。
一人でも多くの方に自分の考えを伝えて回りたい。伺うところ、訪ねるところ、そのほぼ全てで、皆様からお叱りの声をいただきました。

自民党は、何をやってるんだ。
有権者を、納税者を馬鹿にするんじゃない。
今の政治家、全てが「違うだろう!」

返す言葉がありませんでした。そして思いました。
これは、どこかの誰かの他人事の話じゃない。自分の話でもある。都議会議員の一員として、自民党の一人として、そして一人の政治家として。
三つの立場で省みること無しには、ここから先には進めない。ある想いに駆られました。

今回の一件で、改めて認識したことがあります。
秘書って、なんだろう。そして、自分を支えてくれる人、応援してくれる人ってなんだろう。
物じゃないんです。召し使いでもないし、使い捨ての消耗品でもない。ましてや、罵声を浴びせるなんてとんでもない。

共に泣き、共に笑い、そして共に未来を語り合う。そして語り合った未来を言葉だけで終わらせず、現実のものにしていく。そういう存在だと私は思います。そして、それが私にとっての政治だと強く感じています。

夢を夢で終わらせず、現実のものに変えていく。その為にも、もう一度働かせていただきたい。墨田から東京を、そして東京から日本の未来を切り拓いていくためにも、もう一度私にチャンスを与えていただきたいのです。

この4年間、私は世界中の政治の課題や歴史について学ぶ機会をいただきました。中でも印象的だったのは、アメリカの公民権運動の指導者でキング牧師という方です。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア。彼は”I have a dream.”私には夢がある、という有名な演説を残しています。

この川松真一朗、私にも夢があります。

どんな夢かと申しますと、東京を世界一の都市にしたいんです。
どんな世界一か。世界一のタワー、世界一のマラソン。そして世界一の市場、さらには世界一のオリンピック。いろんな世界一があります。そして世界中が競い合っています。
けれども、それだけじゃないんです。

私たち東京は、どんな世界一を目指すのか。まずは二つの分野で、世界一を目指します。
ひとつは世界一安全な街、東京です。この日本には、そして東京には、世界に類を見ないほど時刻に正確な鉄道があります。JRに東京メトロ、そして東武線。それぞれの安全性を、世界中の人がうらやむほどの最高レベルまで高めていきたいんです。

今から一年前、2016年8月。銀座線青山一丁目駅で、盲導犬を連れた視覚障がい者の方がホームに転落し、命を落とす痛ましい事故がありました。まだ一年経っていません。

ハンディキャップを抱える方ばかりではありません。先日24日に応援へ駆けつけてくださった石破茂・前地方創生大臣からもお話がありました。

これから東京は超高齢化社会に突入します。便利な筈の鉄道網が、年齢や身体の衰えとともに、危険なものになっていく。

対策として、ホームドアという装置があります。私たち自民党でも、ホームドアの設置拡充は重点政策のひとつに挙げていますし、他の政党でも掲げています。これは何も、私たち自民党だけの主張ではありません。

ただ、私は声をどんどん上げていきます。障がい者の方やご年配の方、そして妊婦さんや赤ちゃんをお連れの方。すべての人が安心して利用できるためのホームドアを、至る所に設置していくための行政施策を積極的に後押しして参ります。どこでもドアならぬ「どこでもホームドア」、これを何としても実現したいんです。世界一正確かつ、安全で安心な交通網の整備。東京なら、必ずできます。

もう一つの夢、そしてもう一つの世界一。世界で一番子育てがしやすい街づくりを自らの体験も踏まえて進めます。

今から6年前の2011年。3.11、東日本大震災が起きた年です。当時私はテレビ朝日を退職し、政治家を志しました。

3.11を忘れない。そして初心を忘れない。「Kawamatsu2011」というホームページの名前(ドメイン名)には、そうした思いが込められています。当時、私の息子は一歳になったばかりでした。

男性が乳幼児を育てるのに、今の東京は不便なんです。育児や授乳はお母さんがするもの、古い考えではそれが当たり前でした。だから、授乳やおむつ交換のスペースは女性のパウダールーム併設が圧倒的に多いです。男子禁制です。だからこそ、私は男性用トイレにオムツ交換のベッド設置を一貫して主張し続けて参りました。その結果、新規恒久施設には設置が決まりました。決して目立たないかも知れません。けれど、それが大事なんです。

少なくとも、子育て環境に関してはジェンダー(性)の壁を取り払う、それをどんどん進めていく。10か所では大きく変わらないかもしれません。100か所ならどうか。何かが動き始めます。そして更に10倍の1000か所ならどうか。東京だけでなく、日本中が大きく躍動しはじめます。そしてその先には必ず、子育て環境世界一の東京が現実のものになる。私は固くそう信じています。

男性が子育てをしやすくなれば、お母さんの負担を和らげることができます。安心させてあげることができます。お母さんが大変なとき、苦しいときは、お父さんが全力でサポートできる環境や体制が欲しい。これなんかは、もっと早く実現できていればよかった。本当に悔しいし、そして悲しい。その理由は、ここでは敢えて書きません。

男性が子育てなんて、そう思う方もいるかも知れません。おむつはともかく、授乳なんかはどうするのか。じつは、男性が育児に携わることの可能性を提示してくれたのは、他ならぬ小池知事なんです。

昨年の4月、熊本地震が起きました。当時、まだ自民党にいらした頃に、液体ミルクの可能性にスポットを当てて下さいました。実はあの時、私は二つの観点で注目しました。ひとつは防災、そしてもうひとつは子育てです。党派や立場は違っても、いいアイデアはいいんです。世界一の東京を実現するためには、自民だけ、あるいは都民だけ。そういった対立を持ち込む必要はありません。私は強く、そう信じます。

他にもたくさんの夢が、そして実現すべき政策課題があります。それでもまずは、ひとつずつコツコツと積み上げていく。

積小為大(せきしょういだい)という言葉があります。私はこの言葉、大好きなんです。いきなり大きな事はできません。小さな課題を一つひとつ実現することで、やがて大きな目標が実現する。私にとって、政治とはそういうものだと感じています。その小さな課題を必現するにも、それ相応の時間は必要です。

どうか、墨田の皆様には、私を使っていただきいのです。
私を通じて、都政のいいものはどんどん進め、逆に違うんじゃないかと思うものには「待った」をかけていく。そして、あんなことがいい、できたらいいと思ったことはあきらめないで欲しい。

皆様の夢を夢で終わらせない、あきらめないで実現していくために、この川松真一朗を使っていただきたいのです。
墨田区で生活をし、リアルタイムで子育てをしているからこそ。
他人事ではなく、我が事として、全力でぶつかっていく覚悟です。

長くなりましたが、最後までお読みくださり本当にありがとうございます。
今回の東京都議会議員選挙、これまでにないほど厳しく、そして苦しい戦いです。

この決意をお読みいただきました他ならぬ皆様、どうかお力をお貸しください。
もう一度、皆様のために働かせてください。

私、川松真一朗は、誰よりも都民の皆様の声に耳を傾け、お叱りやアドバイスを誰よりも真摯に受け止め、皆様の声を東京都政に反映させて参ります。


編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2017年6月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。