2018年は視聴率大改革元年 --- 奥村 シンゴ

2018年02月19日 06:00

テレビ番組の指標は長年世帯視聴率が重視されてきたが、いよいよ今年4月に 「リアルタイム個人視聴率+録画再生CM視聴率」の導入を皮切りに2018年は視聴率大改革元年となりそうだ。

現在テレビ番組はビデオリサーチ社が統計をとっている視聴率が高いか低いかで番組の存続がほぼ決定する。番組のスポンサーとなる企業が視聴率を重視しているからである。

関東は900世帯、関西は600世帯、その他は200世帯で統計がとられ、対象者は無作為に選ばれる。
統計は専用の測定器を設置し早朝5時から翌朝5時までの24時間の視聴データを収集しインターネットでビデオリサーチのデータセンターに送られ、番組視聴率として集計され、テレビ局・スポンサー・広告代理店に届けられる。

おととしの10月からは放送後7日以内に録画された実態を示す「総合視聴率(タイムシフト視聴率)」を導入し、リアルタイムとタイムシフトをあわせて測定するようになり特にドラマの数値に変化が起きている。

しかし、スポンサーからするとタイムシフトはCMが飛ばされるためCMをどれぐらいみているか、録画してもみない視聴者の割合など不明確な点があり新たな指標が模索されていた。

そこで今年4月から登場するのが、「リアルタイム個人視聴率+録画再生CM視聴率」だ。
リアルタイムは世帯から個人へ、録画はCMを視聴した回数に計測が変更になる。現在の世帯視聴率で高視聴率の番組が低視聴率になったり、その逆も十分おこりえるし、昔からの付き合いでCM枠を購入することに変化が起きる可能性がある。

2020年までの導入を目指しJAA(日本アドバタイザーズ協会)とビデオリサーチ社は何人に何回表示されるかというデジタル広告の手法をテレビCMの取引指標にしようと現在都道府県別の換算表の作成を進めている。

また、デジタル広告を「YouTube」や「Instagram」「LINE」などネット動画広告に絞り、動画が何人に何回当たるかのみをカウントする。

先日インテージがテレビ番組指標の興味深いデータを提供した。
「いまの生活者のタイムシフト視聴の実態」を調査とインテージが保有するMedia Gauge TVのスマートTV視聴ログで明らかにした。

例えば、1週間に1本以上テレビを録画する人は63%で10代に最も多いことや先日放送された「君の名は」のタイムシフト視聴ログをみると、話題になった「Z会コラボ」や「ソフトバンクCM」の部分でCMをスキップせずにみている視聴者は75%に達することがわかるなど詳細なデータだ。

また、業界は異なるが、先日オリコンは近年の音楽の楽しみ方の多様化や流行を追える指標としてCDの売上とダウンロード購入数などを一つの指標にまとめた「複合ランキング」を今秋に新設する方針だと発表した。

背景にはCDを購入せず、携帯電話やインターネット上でダウンロードし音楽を聴く傾向が強まり、CDセールスだけでは時代に合わなくなってきたことがあげられる。

複合ランキングではCDの売り上げにiTunesなどのダウンロード数やインターネット上の音楽配信サービスを集計しシングルとアルバム両部門で発表される見込みだ。

これらの新指標は長年議論されてきた「テレビ」と「ネット」と「携帯」の指標を総合して判断する時代が間近に迫っているということを意味している。

今まで世帯視聴率のみの指標で番組の存続が左右されていたが、視聴率大改革元年となりそうな2018年はどんな指標変化が起きるのか注目である。

奥村 シンゴ フリーライター
大学卒業後、大手上場一部企業で営業や顧客対応などの業務を経験し、32歳から家族の介護で離職。在宅介護と並行してフリーライターとして活動し、テレビ、介護、メディアのテーマを中心に各種ネットメディアに寄稿。テレビ・ネット番組や企業のリサーチ、マーケティングなども担当している。

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