モラルハラスメントの対策は、2つだけ!

2018年06月20日 06:00

モラルハラスメントとは、物理力を伴わない言葉や態度によって相手を虐待する行為を指す。
芸能人の離婚事件以来、にわかに脚光を浴びたが、日本でも10年以上前から「モラルハラスメント被害者同盟」が地道に啓発活動を行っている。

法律的には、「配偶者からの暴力の抑止及び被害者の保護に関する法律」(略して「DV防止法」)第1条1項に規定する「(配偶者からの)心身に有害な影響を及ぼす言動」を指し、配偶者には事実婚等も含まれる。

被害者は妻の割合が多いが、昨今は夫が被害者になる割合も増えている。

モラルハラスメントの最大の問題は、被害者に被害を受けているという自覚がないことと周囲の理解を得るのが困難なことだ。

身体への被害であれば、本人も周囲も現認できるし診断書によって後刻証明することもできる。

しかし、言動等による被害は客観視が困難で、精神的な障害に罹患して初めて気づくというケースも珍しくない。

また、加害者がDV特有のサイクルを繰り返すことからも、被害の発見が遅れることがある。

いわゆる「DVサイクル」とは「蓄積期」→「爆発期」→「解放期」→「蓄積期」…というように、ストレス等の蓄積から加害に及び、加害後は土下座して謝罪し、また蓄積されると加害に及ぶという3つの時期をサイクルとして繰り返すことだ。

加害後に、加害者が土下座して謝罪したり、二度としないと誓うのに騙された被害者が「あの人は本当は優しい人なのだ」と解釈してしまう。

周囲も加害者の謝罪等を信じて、事なかれ主義に陥りがちになる。

しかし、この「DVサイクル」の渦中に入れ込まれてしまうと、次第に精神を病み、被害者がPTSDを発症する例も少なくない。

自分が被害者であると自覚したら、対策は1つ。

加害者から逃げることだ。
決して加害者と対峙しようとしてはならない。
周囲の理解が得られなければ、警察等に相談すればシェルターで保護を受けることも可能だ。
物理的に加害者と距離を置いて、自らの心身を立て直すことが第一だ。

以上のように、モラルハラスメントの対策は「自覚すること」と「逃げること」に尽きる。

モラルハラスメントが社会的に認知されたことから、昨今、高額な費用を徴収してカウンセリングや講演会が開かれていると耳にした。
それ自体を非難するつもりはないが、モラルハラスメントの対策は「自覚すること」と「逃げること」に尽きる。

余分なお金があるなら、逃げる際や逃げた後の生活費等に充てた方が望ましいと私は考える。

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荘司 雅彦
幻冬舎
2016-05-28

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年6月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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