僧侶が解説。恋愛とは心の鍛錬である!

2018年12月18日 11:30

「仕事が終わるとどっと疲れる」「やることが多すぎていつもイライラしている」「どんなに頑張っても結果が出ない」。そんな現代人に朗報である。米大手企業で坐禅を指南し、グローバルに活動する禅僧による新しい仏教の実用書が誕生した。今回は『「禅トレ」で生きるのがラクになる』(世界文化社)を紹介したい。著者は曹洞宗僧侶の藤田一照さん。

思いが強すぎると苦しみも増す

「忍ぶ、不忍(しのばず)」ではないが、忍ぶる恋とは苦しいものだろう。藤田さんは、人を好きになることは極めて自然な感情だと次のように解説する。

「まずは、人をそんなにも恋しく思うことができた自分自身を祝福してあげましょう。寝ても覚めても彼のことばかりを思い、いまどこで何をしているのかがどうしようもなく気になってしまう。彼とほかの女性の関係が気がかりでしょうがなくて、つい余計なことまで詮索してしまう。これはすごくエネルギーのいることですよね。」(藤田さん)

「そんな情熱的なことができる力が自分の中にあったことを驚きをもって認め、『私もそんなに捨てたもんじゃない』と見直してあげてもいいのではないですか。自分の密かな思いやそこから出てくるいろいろな行為を人にいう必要などありません。あなたの心のうちにひっそり忍ばせておけばいいのです。」(同)

ここで、百人一首にも式子内親王の「玉の緒よ、絶えなば絶えね、ながらへば、忍ぶることの、弱りもぞする」という歌を思い出してみよう。

「抑えた恋の激情というのは、実に人間味のあるいいものだと思います。ストーカーのように見える行いも、いまのところはだれの迷惑にもなっていないようですから、実害のない、片思いの恋ゆえのほんの少しの逸脱行為として許される範囲だと思います。この程度にとどめておくことができさえすれば、まったく大丈夫です。」(藤田さん)

藤田さんは、「われに返ってゾッとする」というブレーキのようなものが働いていれば心配することはないとしている。しかし、辛い気持ち、どうすればいいものか。

忍ぶ恋は辛いと相場が決まっている

「彼を独占したいというあなたの思いの強さに比例して、自分が味わう心の痛みや苦しさも増す、ということは承知しておいたほうがいいです。昔から、忍ぶる恋はつらいものと相場が決まっています。それが嫌なら、その恋をあきらめるか、勇気を出して思いを彼に伝えるかしかありません。」(藤田さん)

「いまの秘めた恋のつらさをじっと我慢するか、それでは苦しすぎるので痛みとともに彼をあきらめるか、あるいは勇気を出して告白して、あえなく振られる悲しさを味わうか、幸いにも両思いへと発展することになるのか。」(同)

恋というのは相手があって成立する。そもそも他人をこちらの思いどおりにするということなど到底無理である。そのため、思いが強ければ強いほど、それに反する状況が自分を苦しめる。さらに恋愛が成就したとしても、一時的なものかも知れない。自分を磨く心の鍛錬だと思って、乱れる自分の心と付き合うのも修行になるのかも知れない。

「生きる意味がわからない」「アルコール依存症」「仕事で結果が出ず年収ダウン」。現代人の四苦八苦の悩みに一照禅師が回答する痛快な一冊。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

※新刊情報(筆者11冊目の著書)
即効!成果が上がる文章の技術』(明日香出版社)

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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