10周年復刻①日本が輝きを取り戻すために --- 堀江 貴文

アゴラ

2009年1月1日に創刊したアゴラ。10年の歴史を振り返ると、社会を動かした投稿、「過去にはこんな人も投稿していた」など、注目すべきアーカイブ原稿が見受けられます。10周年企画として、編集部で注目した過去記事を随時ピックアップしていきます。まずはアゴラの2年目がスタートした2010年元日、堀江貴文さんのエントリーです。堀江さんが当時指摘した日本社会の課題の本質は、9年立った今も変わっていないのではないでしょうか。

(アゴラ編集長 新田哲史)


日本が輝きを取り戻すために  2010年1月1日

堀江貴文さん(Wikipediaより:編集部)

明けましておめでとうございます。早いものでもう2010年になってしまいました。私は2009年は激動の年でした。まだ2006年の事件を引きずっていますが民事訴訟は2009年中に解決することが出来、ビジネス的にはやっと前向きな仕事に取り組めるようになりました。規制強化が次々と行われる中、特に新規事業を興すベンチャー企業にとっては厳しい経営環境となりつつあります。

コンプライアンス不況などという言葉も良く聞かれます。政権がベンチャー企業家などの成功者に対して嫉妬心を抱く大衆の心理に付け込み、結局官僚が権力を拡大しているだけの話であると私は思っています。しかしそれでは夢がありません。ですから、現政権がもっと規制緩和の動きに振れてくれるように、各方面から提言をしていこうと考えています。

グローバル経済が広がる中、個人に求められているのは世界を知ること、そして世界の中で生きていけるようになることです。これまでは狭い日本の中のことだけを考えていれば生きられましたが、これからはそうは行きません。いやおうなしに世界の経済の荒波に個人も放り込まれることになります。

そういう意味では日本という恵まれた環境で生まれ育った我々にはまだアドバンテージが残されています。せっかくだからこのアドバンテージを活かすべきなのです。そのためには今の硬直化した政治経済の体制を立て直さなければなりません。それは老人民主主義といわれるような高齢者ばかりを優遇する政策の転換に他なりません。

再び日本が輝きを取り戻すためには、科学技術の振興、人口増加策、外国資本の呼び込みが必須です。外国資本をハゲタカなどと呼んで排斥するのは何も考えてない右翼思想に他なりません。日本にお金を運んでくれる有難い存在なのです。人口増加策ではやはり移民は欠かせないでしょう。高い能力をもった移民から単純労働をやる移民まで幅広い層を呼び込むための政策が必要です。そして科学技術の振興。これはむしろ政府が下手に介入すべきではありません。規制緩和をして民間の力を信じるべきです。

私もこれからの10年のメインテーマとなる宇宙開発を2010年に本格化します。 小型衛星を軌道投入できるクラスのロケットエンジンの開発を今年の目標とし ます。そして10年以内には有人軌道飛行が 出来るようにしたいと思っていま す。もちろんこれはビッグビジネスにもなるはずです。

私達のテーマは宇宙を もっと身近にすることです。一人当たりの打ち上げコストが30-50億といわれる有人宇宙飛行ですが、高すぎます。100分の1以下にしようと思っています。これは十分可能な数字です。ロケットといえど工業製品ですし、技術自体は50 年以上前の技術が未だに使われている世界です。そして太陽系の遥かかなたまで飛べるようにしていきたいと思っています。こういう夢のある話をもっと皆が普段から話せるような社会作りの一助となれればと思っています。

今年もどうかよろしくお願いします。

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