お正月に関する言葉、あなたは何問わかりますか?

出雲大社(wikipedia)

最近、AIが話題になることが増えました。AIの発展で、人間がやる必要のない作業については代替が進むことが予想されています。しかし、人間の関わる本質的な部分がなくなることは考えにくいでしょう。

昨年、『即効!成果が上がる文章の技術』(明日香出版社)を上梓しました。筆者は文章術に関するツイートを毎日発信しています。年末年始に、お正月に関するツイートを流しました。その中で反響の大きかったものを5本紹介します。皆さまはわかりましたか?

<(1)除夜の鐘の「除夜」ってなに>
A氏:今日は大みそかだな
B氏:「除夜の鐘」が聞こえますね

除夜は、漢字文化圏における1年の最後の日のことです。日本では「大みそか」、中国では「除夕」と書きます。除夜の鐘は、大みそかから元日にかけて鐘を108回つくこと。凡夫(愚かな衆生)の煩悩を108種としているためです。

<(2)お正月はいつまでなの>
A氏:新幹線が帰省ラッシュで激混みだな
B氏:「お正月休み」ですから

お正月とは年初のこと。旧年の終わりと新年を祝うことです。行政は12月29日~1月3日までを休日にしています。また、新年は「民間暦」で1年の最初のこと。日本の旧暦では立春の頃。当時は、大正月と小正月に分けられていました。大正月には年神や祖霊の儀式、小正月には豊穣祈願の儀式などを行います。

<(3)出雲大社を正しく読める>
A氏:出雲大社に初詣に行ってきたよ
B氏:出雲大社は由緒ありますね

正式には「いずもおおやしろ」。地元でも「おおやしろ」と呼ばれています。近代社格制度下において唯一の「大社」です。二拝四拍手一拝の作法で拝礼します。また、心願成就の「心願」は心の中、「成就」は願いのことです。

<(4)江の電or江ノ電どっち>
A氏:江ノ島に初日の出を見にいったよ
B氏:「江の電」も風情がありますよね

正解は「江の電」ではなく「江ノ電」。「江ノ島電鉄」が正式名称です。関連バス会社は「江ノ島バス」。ところが近隣の住所は「江の島」、モノレールの駅は「湘南江の島」。

<(5)お正月飾りを外すのはいつ>
A氏:お正月飾りはいつ外している?
B氏:10日くらいじゃないですかね

お正月は年神様をお迎えし、お祭りするもの。高い山から下ってくるため、「ご来光」といいます。「お正月飾り」は「松の内」は飾っておきます。「松の内」は元日から7日までを指します。「七草粥」の7日に外すことが多いようです。

最近、語彙力に関する記事を見かけることが増えました。「大人にふさわしい語彙力をつけたい」というニーズがあるように思います。状況を俯瞰しながら言葉を使い分けるスキルは、さまざまな場面で役立つことは間違いありません。スマホで文字を書くことが多くなったせいか、意味不明な言葉や非礼な文章が増えたように感じています。あなたの評価を高めるためにも、使い方を覚えておきましょう。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員