ホンダも日産に続き英国から逃亡:ゴーン事件余波

2019年02月19日 11:30

ホンダが英南部スウィンドンにある同社工場を2022年に閉鎖する見通しだと英スカイニューズ・テレビが報じた。1985年に設立し、約3500人を雇用し、関連産業でも数千人の雇用が失われる。乗用車シビックなどを生産してきた。

それに先だって、日産がイギリスの中部にあるサンダーランド工場でのスポーツタイプ多目的車(SUV)エクストレイルの次期モデル生産計画を取りやめると発表している。

そもそも、私は日本のメーカーがEUのなかで特殊な立場にあるイギリスにヨーロッパ拠点を置くことは危険で間違った選択だと1980年代から一貫して反対してきた。

別にこういうことになるのは、思いもかけぬ状況でない。当然予想するべきリスクに備えず無謀な決定をしてきた報いである。

カルロス・ゴーンは2016年、EU離脱後の英国における日産の事業環境に対する保証を求めて官邸でメイ首相と会い、ハード・ブレグジットにならないにはならないという口約束と政府が最高8,000万ポンドの補助金をくれることを条件に英国工場での投資を変更しないと約束した。

フランス政府の影響力を大きくしたくないゴーンと日産の馬鹿げた決定であった。ゴーンは、ルノーと日産が近くなりすぎるのは自分の力を削ぐことになるので嫌だったのではないか。

だから、EU離脱後も統一市場に近いものが維持されるとか、当てにならない補助金の餌にゴーンと日産は乗って、EU離脱のショックを少なくするように英国政府に協力してフランス政府やヨーロッパの人々を怒らせた。

それがフランス政府のゴーンへの不信を招き、経営統合の要求→その部分的受け入れ→日産における明智光秀的クーデターにつながったのは皮肉だ。

イギリスとの関係を維持することは結構なことだがヨーロッパ拠点としては止めた方が良い。ホンダはロンドン近郊の欧州本部は維持するつもりらしいが、馬鹿げている。イギリスに住んでいるだけだとヨーロッパが見えなくなる。日本は企業やマスコミがロンドンにあるためにヨーロッパがまったく見えなくなっている。

ホンダや日産は日本に移管するとしているが、部分的にはEU内での生産に切り替えた方が賢明だし、いずれそうなるだろう。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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