知っトク解説:今回は“為替操作国”

2019年08月14日 16:00

8月5日にアメリカは中国を「為替操作国」に指定しました。
その直後、世界の株式市場が大幅に下落しました。

「為替操作国」とは一体どんな国でしょうか。
「為替操作国」とは、自国通貨を安くしようと誘導している国となります。

では、なぜ自国通貨を安くしようとするのでしょか。
それは、輸出を有利にするためです。

では「為替操作国」とは誰が決めるのでしょうか。
「為替操作国」の指定については国際機関が決定しているルールが存在するのではなく、あくまでも米財務省が一方的な判断で規定されています。

なぜ、アメリカが一方的に決めることができるのかと言えば、世界通貨の基軸である「ドル」を持っているからです。

為替操作国に指定した国に対しては、制裁関税をかけるなどの懲罰的な措置をアメリカは講じるのですが、これもアメリカ国内の法律に則って行います。

米財務省は年に2回、貿易相手国の為替政策を分析・評価した報告書を発表しています。
その中で、下記の3項目に照らし合わせてその様々な判断を行なっています。

対米貿易黒字;アメリカに対する貿易黒字が200億ドル以上=日本円でおよそ2兆円以上の国であるかどうか
その国の経常黒字;経常黒字がGDP比で2%以上の国に当たるかどうか
アメリカとも合意なき為替介入;一方的な為替介入による外貨の購入を1年間で6か月以上、繰り返し行い、この金額がGDP=国内総生産の2%以上となる国かどうか

上記3項目のいずれにも該当した場合、今回のように「為替操作国」に指定します。
また、2項目に該当する国を「監視国」に指定し、これまでは中国・ドイツ・韓国・イタリア・アイルランド・シンガポール・マレーシア・ベトナム・日本が該当していました。

日本は対米黒字と経常黒字に該当しています。

中国は8月5日に1ドル7元を超えて元安になりました。
アメリカはこれを「中国が元安を放置している」とみなし、合意なき為替介入として「為替操作国」に指定しました。
1992〜1994年までクリントン政権時代にアメリカは中国を為替操作国にしていました。その後、25年間「為替操作国」に指定された国はありませんでした。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年8月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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