「日本の安全保障を考える議員の会」、大勲位ご逝去など

2019年11月30日 06:00

石破 茂 です。

28日の「日本の安全保障を考える議員の会」は、香田洋二元海将、番匠幸一郎元陸将を講師としてお迎えして勉強会を開きました。

2004年、前身である「21世紀の安全保障を考える若手議員の会」が発足したのには、2003年から 2004年にかけて審議された有事法制関連法案が9割の議員の賛成で成立した(反対したのは共産党と社民党のみ)という背景が存在していました。

政府は極力誠実な答弁に努め、特別委員会の現場においては、与党の久間章生筆頭理事、野党の前原誠司筆頭理事の大変な努力がありました。

このように、安全保障など国の根幹にかかわる政策は、与野党で徹底的に議論し、一致点を見出すべきものであり、当時「新国防族」と呼ばれた我々には、精神論を極力排し、法律・条約・運用・装備などに知見を持ち、内局の言うなりではなく、制服組に阿るのでもなく、政治家として責任ある安全保障政策を推進したい、との思いがありました。

あれから15年が経ち、もはや若手ではなくなってしまいましたが、その後メンバーのそれぞれが防衛や外務の大臣、副大臣等を経験し、安全保障環境が激変する中にあって、敢えて再発足の運びとなりました。

F15戦闘機(防衛省サイト:編集部)

かつて小泉内閣の防衛庁長官在任時、国会で「航空自衛隊のF-15戦闘機で北朝鮮を叩けるのか」という議論があった際、「空自のF-15は侵入してきた敵機を排除する能力は世界第一級でも、他国領域まで進出してミサイル基地を叩くような能力は保持しておらず、そのような訓練もしておりません。それでも行けというのは神風特攻隊と変わらず、そのような命令は出せません」というような答弁をした記憶があります。

戦闘機を用いた策源地攻撃のためにはその位置を正確に把握することは勿論、AWACSや護衛戦闘機、空中給油機、電子戦機なども随伴させなくてはなりません。その能力を保持するか否かは政治の判断ですが、能力を造成するためには長い年月を必要とします。

安全保障政策は「合理性」と「リアリズム」を基本とすべきものであり、基本的な認識や知識を共有すれば、自ずと一致点は見出せるものと考えております。

それにしてもマスコミ各社の報道は「ポスト安倍を睨んだ与野党連携か」的なものばかりで心底うんざりしてしまいます。

昨日の、論客として知られる元制服組最高幹部との議論は久々に多くの示唆を受けた充実したものでしたが、その内容についての報道は一切ありません。報道する気も全く無いのでしょうが、これでは議員も政策について真摯に学ぶ意欲が削がれることもやむを得ないのかもしれません。しかし、ここで諦めてしまえば国の将来が危うくなります。

昨日の衆議院憲法審査会の運営については、いかがなものかと思わざるを得ませんでした。政権にとって都合の悪い議論を忌避している、と国民に思われることは、決して国家のためにはなりません。いつの日にか大きな報いとなって跳ね返ってくることを認識すべきですし、それが自分たちにとってならば自業自得というものかもしれませんが、国家国民に跳ね返るような事態になることを心から怖れます。

「桜を見る会」についても、それ自体が国家の重大事でないからこそ、早急に解明し、改めるべき点を直ちに改め、詫びるべき点は率直に詫びて、国家の重大事を議論できる環境を作らなくてはなりません。「こんな些末なこと」だからこそ、ある意味かえってリアリティを持って国民に受け止められているのではないでしょうか。

敗戦直後、責任追及を免れるため軍や政府の書類が多く焼却処分されたと言われていますが、これを彷彿とさせるような事象にも嘆息を禁じ得ません。公文書の保存に尽力された福田康夫元総理の真摯さを改めて思い出します。

首相在任中の中曽根元首相(官邸サイトより)

29日、大勲位 中曽根康弘元内閣総理大臣が101歳で逝去されました。

昭和61年(1986年)、我々が初当選した際の総理大臣で、7月の同時選挙では自民党総裁として衆参公認候補4名応援のため、鳥取市にもご来援くださいました。偉大なご業績については後日改めて記したいと思いますが、当選直後、衆議院当選1回生を集めた会で、「君たち当選1回生にとって一番大事な仕事は、当選2回生になることだ」と言われたことを強烈に覚えています。

「どんなに立派なことを言っても当選を重ねなければ実現は出来ない。政策や信念を実現するためには、当選したからと言って浮かれることなく、地元の基盤をしっかりと固めるように」、というようなお気持ちであったか思います。

「暮れてなお 命の限り 蝉しぐれ」「したたかと 言われて久し 栗をむく」どちらも大勲位が作られた俳句ですが、徹底したリアリストでありながら理想を決して曲げず、したたかに政権を運営しながらロマンチストの一面を失われなかった、在りし日のお姿を偲び、御霊の安らかならんことを心よりお祈り申し上げます。

週末は、30日土曜日が自民党綾部支部政治経済懇談会で講演(午前11時50分・京都府綾部市林業センター)、昼食懇談会(午後1時半・同所)、自民党福知山支部講演会で講演(午後4時・サンプラザ万助)、夕食懇談会(午後5時半・同所)。

12月1日日曜日は自民党西脇支部時局講演会にて講演(午後1時半・西脇ロイヤルホテル・兵庫県西脇市)、内藤兵衛兵庫県議自民党県議団幹事長就任祝賀会(午後4時・同所)、という日程です。

とうとう師走に入ります。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。


編集部より:この記事は、衆議院議員の石破茂氏(鳥取1区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2019年11月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は『石破茂オフィシャルブログ』をご覧ください。

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石破 茂
衆議院議員(鳥取1区、自由民主党)、

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