香川県のゲーム規制条例案に思うこと

香川県といえば西日本では岡山県と並び教育県の一つとされてきました。その教育が思った通り行かなくなった一つの理由がゲームであります。昔は一人でやっていたものが今ではクラスメートなどとつながっているため、交信しながらゲームをするのが当たり前。つまり、家に居ながらにして皆とゲーム対戦がいつでもできる状態になっています。

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これに対する規制をしようというのが香川県の取り組みで4月にも条例案として議会にかけられるほか、全国レベルに展開すべく国、関係省庁、ゲーム業界が一体となって協議を開始したと報じられています。「素案では18歳未満の1日のゲーム利用時間を60分、中学生以下が利用するのは午後9時までとしている」(日経)とあります。

これに対して賛否両論があると報じられているのですが、私は60分が正しいのかどうかは別として基本的に賛同いたします。

今、適齢期を持つ親は子供を十分に面倒など見られません。変な話ですが、女性の社会進出をうたった現政権の効果もあって多くの女性は仕事を持っています。そうなると子供が学校から帰って寝るまでの間、そばで面倒を見ることができるのか、といえば困難になりつつあるというのが現状であります。

ただでさえ昔と違い、子供は親の言うことを聞かなくなりました。一つにはお父さんが家にいないこともあります。お父さんとは週末に会うか会わないか、という家庭も多いでしょう。サザエさん的昭和の家庭では家族そろって夕食を取りながら「今日は学校で何があった?」という会話をするものです。

多分、これは北米では今でもそうだと思うのです。北米における家族の関係は比較的強いのですが、日本の場合、この家族間の関係がかつてに比べて薄くなっています。またたまにしか見ない父親に対して子供が怖いもの知らずになり、母親は子供に甘いため、結局「駄目よ、ダメダメと言いながら結局放置してしまう」わけであとから「あの時言ったでしょ」と言っても無意味な後悔と化してしまうのです。

申し訳ないですが、親が子供をコントロールできないなら業界がそれを強制終了する仕組みを作るべきでしょう。(どうせ、鼬ごっこになるのはわかっていますが、そういう姿勢をみせることは大事です。)

特に塾で子供たちを見ていると親が寝静まった夜11時ぐらいから朝2-3時までゲーム三昧というお子さんはいらっしゃるのです。嘘だと思ったらそっと子供部屋を開けてみたらよいと思います。「うちの子に限って」実はゲームに熱中しているでしょう。そのタブレットを取り上げるものならば命を取られたぐらいの反発があると思いますが、それだけ依存症になっているということです。

青少年の健全な育成なんて古めかしい言葉を使うのは抵抗がありますが、子供の時にしかできない経験や体験、発見をさせることが大事だと思っています。今時、子供を博物館に連れて行っても「早く帰ろう―よ、ゲームしたいよ」といわれるのがオチでしょう。

こんな日本に誰がした、です。だから、私は香川県の英断に拍手をしたいと思っています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年3月3日の記事より転載させていただきました。