小池百合子は今度こそジャンヌダルクになれるか

2020年04月08日 16:01

緊急事態の発動をめぐって小池都知事が前のめりで政府が慎重という構図が目立った。今回の件については、日本医師会が3月30日に発動を求めており、私はその時点で決断することが好ましかったと思うし、小池知事が政府の背中を押したのも正しいと思う。

東京都の公式YouTubeで都民に語りかける小池知事

もっとも安倍首相自身は早期の宣言に前向きだったと言われるが、政府部内で慎重な声も多かったのも理解できる。世論でも早期に出すべきだという声が圧倒的というほどでもないし、総論賛成・各論反対チックな人も多い。

そういうなかで、自粛要請しかできないと、国民がそれに従ってくれないと混乱するだけだし、従った人が馬鹿を見るということもある。また、対策の準備ができないまま実施すると混乱も免れない。

そう言う意味で、大多数の人が受け入れそうなタイミングを見計らったということも理解できないわけでもない。

しかし、早期の実施が好ましいのは間違いなく、その意味では都知事が前のめりでちょうど良かった。おそらく知事選挙に向けて支持率は高くなると思う。この人のいい面が出ているというか、豊洲などにこだわらなければこのようにできたのにと惜しまれるところでもある。

また、さすが、テレビキャスター出身だけあって、言語明瞭、要点にしぼっての発表能力は、やや慎重すぎてまわりくどいかなという印象があった安倍首相よりも説得力があった(安倍首相の記者会見はいつもやや長すぎる。ただ、昨日の経験の出来は良かった)。

マイカー通勤やドライブスルーの解禁も

今度は、理美容を範囲に入れるかなどで小池知事が前向きで政府は慎重、といったことで対立しているようだが、これは、私はとりあえずは、範囲は広く取って良いと思う。

むしろ、思い切っていったん世間の活動を止めて、様子を見ながら部分解禁をしていくほうがいいのではないか。理美容などしばらく先延ばしにしても困る訳でない。

本日の朝の記事でも書いたが、通勤客の減り方があまりにも緩やかすぎるのが心配だ。もし、これまでの自粛要請で順調に減ってきたならいいが、そうではない。これでは、一気に拡がらないか心配だし、国際的にもイメージが悪すぎる。

写真AC

そこで、私が思うのは、いったん急ブレーキをかけて、ゆるやかに再開することだ。そのあいだに、失業するような人がそれほど出なくて済むようにしつつ、全体としての接触密度を減らすことが可能なのでないかと思う。

それに際しては、正直者が馬鹿を見ないように、自粛の基準はできるだけ分かりやすく示すべきだ。

たとえば、外食については、レストランだ居酒屋だスナックだとかいうことでなく、換気が十分なら、①客同士の会話禁止①隣と正面は外すの条件で営業を認めてはどうだ。また、会話を伴う会食は正面2メートル、隣は1メートル離して個室のみにする、ということに居酒屋であろうが他の名前の飲食店であろうがしたらいい思う。その結果、マスターやママなどオーナーだけで細々やるというようなことで救われるお店が多ければ儲けものだ。

観光施設などでも、とりあえず、閉めるのはいいが、2メートル原則が守られるなら、徐々に解禁していいのではないか。なんなら拝観料などゆっくり見られるのだから、高めにとってもいいし、地元民に限定してインターネット予約限定身分証明書提示でもいいと思う。

交通はこの際、自家用車の使用が奨励されるべきだ。都心の駐車場も空いているのだから、企業などがマイカー通勤を臨時で認めたら通勤電車が少しでも減る。学校で空いている地域では子供の送り迎えをマイカーですることを奨励すればいい。

そのほか、ドライブスルー方式の積極的な導入も好ましい。場合によっては、路上駐車の臨時解禁もどんどんやるべきだ。

半舷上陸的な発想を採り入れるべき

こういう半舷上陸的な発想は、5月6日を待たずにも様子を見てできるし、それ以降でも有効だ。対象地域以外でも実施して欲しいと思う。少しオール・オア・ナッシングに傾きすぎ、そして、抜け駆けしたものが得になるのが心配だ。現実的な基準を設け、是が非でもそれは守らせるというのが正しい。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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