トランプ書簡の猶予期間は30日、テドロスはどう応えるか(拙文全訳)

2020年05月21日 06:00

18日、トランプ大統領はWHOのテドロス事務局長に最後通牒を突き付けた。書簡が指摘するWHOとテドロスの所業に目新しい事実はない。が 30日以内に大幅な実質的改善を約束しない場合、一時停止した資金の恒久停止やWHOからの脱退まで仄めかしている。以下に拙訳全文を挙げる。

トランプ氏(Skidmore/flickr)、テドロス氏(IPI サイト)

親愛なるテドロス博士

2020年4月14日、私は、COVID-19発生へのWHOの対応失敗について私の政権による調査が行われるまで、WHOへの米国の寄付金を一時停止しました。 このレビューは先月私が提起した深刻な懸念の多くを確認し、WHOが対処すべき他の問題、とりわけ憂慮すべきWHOの中国からの独立の欠如を明らかにしました。 このレビューに基づいて、以下のことを知ってください。

  • WHOは、2019年12月初旬あるいはそれ以前の武漢におけるウイルスの蔓延という、ランセット誌の報告を含む、信頼できる報告を一貫して無視しました。WHOは、中国政府の公式報告と直接食い違いのある、武漢自体の情報源から来たものを含む信頼できる報告を、独立して調査することが出来ませんでした。
  • 遅くとも2019年12月30日までに、WHOの北京事務所は、武漢に「公衆衛生」の懸念があることを知っていました。12月26日から30日までの間に、中国のメディアは複数の中国のゲノム企業に送信された患者データに基づいて、武漢から新しいウイルスが出現した証拠を強調しました。加えてこの期間中、湖北省西洋医学総合病院の医師Zhang Jixian博士は、新しいコロナウイルスが新型疾病を引き起こし、その時点で約180人の患者を苦しめていると、中国の保健当局に述べました。
  • 翌日までに、台湾当局はWHOに、新しいウイルスの人から人への感染を示す情報を伝えていました。それでもWHOは、おそらく政治的な理由からこの重要な情報を他の世界と共有しないことを選択しました。
  • 国際健康規則では、各国は24時間以内に健康上の緊急事態のリスクを報告する必要があります。 しかし中国はWHOに、原因不明の肺炎のいくつかの症例を、数日かあるいは数週間前に知っていながら2019年12月31日まで通知しませんでした。
  • 上海公衆衛生クリニックセンターのZhang Yongzhen博士によると、彼は2020年1月5日、中国当局にウイルスのゲノム配列を決定したと伝えました。この情報は、Zhang博士自らがオンラインで投稿した6日後の2020年1月11日まで公開されませんでした。翌日、中国当局は「修正」のために彼の研究室を閉鎖しました。WHOも認めたように、Zhang博士の投稿は「透明性」の優れた行為でした。しかしWHOは、Zhang博士の研究室の閉鎖と、6日前に大発見を中国当局に知らせたとの彼の主張の両方について明らかに沈黙しています。
  • WHOはコロナウイルスについて。非常に不正確または誤解を招く主張を繰り返しています。
  • 2020年1月14日にWHOは、コロナウイルスが人と人の間で伝染することができなかったとい   う、その時点で明らかでない中国の主張を不当に再確認し、次のように述べました。「中国当局による予備調査は、中国武漢で特定された新型コロナウイルス(2019-nCov)の人人感染の明確な証拠を見つけていない。」この主張は武漢からの検閲された報告と直接対立していました。
  • 2020年1月21日に中国の習近平国家主席は、コロナウイルスの発生を緊急事態と宣言しないよう貴殿に圧力をかけたと報じられています。次の日、貴殿はこの圧力に屈し、コロナウイルスが国際的な懸念の公衆衛生上の緊急事態を引き起こさないと世界に伝えました。ちょうど1週間後の2020年1月30日、圧倒的な正反対の証拠が貴殿の振る舞いを逆転させました。
  • 2020年1月28日、北京で習主席と面会した後、貴殿はコロナウイルスに関する中国政府の「透明性」を称賛し、中国が「発生管理の新基準」を設定して「世界の時間を買った」と発表しました。貴殿は、その時までに中国が、ウイルスについて発言した数人の医師を沈黙させ、あるいは罰し、中国の機関がウイルスに関する情報を公開することを制限したことについては言及しませんでした。
  • 2020年1月30日にその発生が国際公衆衛生の緊急事態であると宣言した後でも、貴殿は中国に国際医療専門家のWHOチームの適時入国を要求することができませんでした。その結果、この重要なチームは2週間後の2020年2月16日まで中国に到着しませんでした。しかもそのチームは最終日まで武漢訪問を許可されませんでした。注目すべきことに、武漢の施設へのチームメンバーの米国人2人のアクセスを中国が拒否したとき、WHOは沈黙していました。
  • 貴殿はまた、中国の厳しい国内旅行の制限を高く評価しましたが、中国から来る人々に関して私が米国との国境を閉鎖することや禁止することに貴殿が反対したのは説明がつきません。 私は貴殿の望みと関係なく禁止を設定しました。 他の政府が貴殿のコメントに頼り、中国への、そして中国からの旅行に命を救う制限を課すのを遅らせたように、この問題に関する貴殿の政治的策略は致命的でした。信じられないことに、2020年2月3日に貴殿は、中国はウイルスから世界を守るためにとても素晴らしい仕事をしていたので、旅行制限は「良いことよりも害をもたらした」と主張し、貴殿の立場を強化しました。それでも世界はその時、中国当局が武漢を封鎖する前に500万人以上の人々が街を離れることを許可し、それらの人々の多くが世界中の国際的な目的地に向かうことを知っていました。
  • 2020年2月3日の時点で、中国は旅行制限を解除または未然に防ぐよう各国に強く圧力をかけました。この圧力キャンペーンは、中国国外へのウイルスの蔓延は「最小限でゆっくり」なので「これが中国国外に広がる可能性は非常に低い」と貴殿が世界に告げた、その日の誤った声明によって強化されました。
  • 2020年3月3日、WHOは中国の公式データを引用して、無症状の急増の極めて深刻なリスクを軽視し、「COVID-19」はインフルエンザほど効率良くは伝染しないこと、およびインフルエンザとは異なり、この疾患は本来、「感染しているがまだ病気ではない人」によっては起こされないと世界に伝えました。WHOは世界に、中国の証拠は「報告された症例の1%は症状がなく、それらの症例のほとんどが2日以内に症状を発現することを示した」と述べました。しかし多くの専門家は、日本、韓国、その他の地域のデータを引用して、これらの主張に精力的に疑問を投げかけました。 WHOによって世界への繰り返えされた中国の主張が広く不正確であったことは今や現在明らかです。
  • 2020年3月11日に、貴殿がようやくウイルスをパンデミックと宣言したときまでに、世界114か国以上で4,000人以上が死亡し、10万人以上が感染しました。
  • 2020年4月11日、数人のアフリカ大使が中国外務省に、広州や中国の他の都市でのパンデミックに関連したアフリカ人の差別的扱いについて書簡を送りました。 貴殿は、中国当局が強制検疫、立ち退き、およびこれらの国の国民に対するサービス拒否のキャンペーンを実施していることを知っていました。 貴殿は中国の人種差別的な行動についてはコメントしていません。 しかし、貴殿は、このパンデミックへの貴殿の対応の誤りについての台湾の十分に根拠のある苦情に、理由もなく人種差別主義者とレッテル貼りしています。
  • この危機を通じて、WHOは不思議なことに、その「透明性」が疑わしい中国を称賛することに固執してきました。貴殿は中国が透明性を欠いているにも拘らず、一貫して賛辞を送っています。たとえば、1月初旬に中国はウイルスのサンプルを破壊するように命じ、重要な情報を世界から奪いました。今でも中国は正確な培養菌株の共有を拒否し、ウイルスとその出所に関する重要な情報を留保することにより、国際健康規則を毀損し続けています。そして今日に至るまで、中国は自国の科学者や関連施設への国際的なアクセスを拒否し続けていますが、その一方で、中国は自国の専門家を広範囲に無謀に非難し、検閲しています。
  • WHOは、自らの緊急委員会による最近の承認にも拘らず、ウイルスの起源についての独立した調査を許可するよう中国に公に要求することをしませんでした。WHOがこれを怠ったことにより、加盟国はWHOが危機をどのように処理したかについて、公平で独立した包括的なレビューを求める米国およびその他の多くの呼びかけを反映した今年の世界保健総会で、「COVID-19対応」の決議を採択することとなりました。決議はまたウイルスの起源への調査を要求します、そしてそれは世界が病気に対抗するための最良の方法を理解するために必要です。

おそらく、これら全ての失敗よりさらに悪いのは、WHOがもっと上手く出来たはずだということです。ほんの何年か前に異なる事務局長の指示で、WHOはどれほど出来るかを世界に示しました。2003年、中国でのSARSの発生に対応して、ハーレム・ブラントランド事務局長は、WHOが55年ぶりに、中国南部での伝染病の蔓延する中国南部との間の旅行をしないことを勧告する緊急旅行勧告を発表しました。彼女はまた、内部告発者を逮捕しメディアを検閲するといういつもの脚本を通じて発生を隠蔽しようとすることで、世界中の健康を危険にさらす中国を批判することを躊躇しませんでした。貴殿がブルントランド博士の例に倣っていれば、多くの命が救われたでしょう。

パンデミックへの対応における貴殿と貴殿の組織の度重なる失敗は、世界にとって非常に多くの犠牲を強いました。WHOが前進する唯一の方法は、実際に中国からの独立を示せるかどうかです。私の政権は組織を改革する方法について既に貴殿と議論を始めています。

しかし、迅速な対応が必要です。無駄にできる時間はありません。WHOが次の30日以内に大幅な実質的改善を約束しない場合、WHOへの米国の資金提供の一時的な凍結を恒久的なものにし、組織のメンバーであることを再検討することを私が貴殿に伝えるのは、それが米国大統領としての私の義務だからです。米国の納税者は私に、現状は明らかに米国の利益に役立たない組織に資金を提供し続けることを許しません。

心より
ドナルド・トランプ

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