今週のつぶやき:前代未聞の全人代

2020年05月23日 14:00

ここバンクーバーでも今週から緩和策が発表され、2カ月ぶりに居酒屋ビールを楽しむことができました。といっても客は他にゼロ。街ゆく人にもまだお互いの不信感が強くあります。自宅のマンションでエレベーターを待っていたら乗っていた知り合いの中国人の奥さんに距離を開けろと「しっしっ」と手で追い払われました。これ、新型逆差別かと思わなかったわけでもないですが、ここは大人の態度で収めました。コロナが生み出す「不信症」は案外重症かもしれません。

では今週のつぶやきです。

死んだ猫でも跳ね返る!

Dead Cat Bounce(死んだ猫でも跳ね返る)とはれっきとした株式用語。その意味は高いところから死んだ猫を落としても跳ね返るという意味で大幅下落しても多少は反発するという意味であります。(私は死んだ猫だろうがネズミだろうが落としたって跳ね返らないと思いますけどね。)今回のコロナショックによる株価下落とその後の反発を受けてこんな言葉が聞かれるのは現在の株価回復は長続きしないとみている筋の声かもしれません。

写真AC

底値からの上昇率はNYダウが35%、日経平均が25%でここ2週間ぐらいはヨコヨコの動きとなっています。上を抑えたのが米中の争い。下を支えるのがビジネスの再開でこの均衡がどう展開するのかしばし様子見という感じでしょうか?ただ、格言上だとしても死んだ猫が25%や35%も跳ね返らないので個人的には売り方のポジショントークだと思っています。

ところで、ウォーレン・バフェット氏の神通力が消えたと明白に感じたのも今回の歴史に刻まれる点でしょう。彼の会社、バークシャー・ハザウェイにかつての勢いはないし、ポートフォリオの組み方は時代からかけ離れているように見えます。相場の天才だったのか、背景にある莫大な資金と彼を神と崇める投資家たちの絶大なる信仰心が株価を支えてきたのか、そこはわかりません。相場で華があるのは永遠ではないということなのでしょう。世代交代、新たな相場のスターが現れる気がします。

前代未聞の全人代

米中の争いが激化し、アメリカに上場する中国企業に厳しい措置が取られると見越し、数日前、投資していたオンラインショッピングの京東商城(JD)を全株手放しました。この時期に上場来高値をつけ業績好調だったのですが、同社が香港市場でも上場するという話を聞いてこれはアメリカ上場の代替だなと感じたのです。現在アメリカには180社余りの中国企業が上場しています。その行方は読めず、政治が株価を揺らす場合のリスクを取れないのです。

中国の李克強首相(新華社サイトより)

さて昨日始まった中国の国会にあたる全人代で前代未聞と感じたのは今年度のGDP成長率の目標数字がなく、李克強首相のスピーチも異例の短さ、リーマンショックの時に見せた巨額の政府資金投入発表もなく、むしろ香港とマカオの管理強化ばかりが強調された形になっています。また国防予算だけは6.6%増でアメリカに次ぐ巨額の予算体制を維持、南シナ海と台湾への睨み、および香港の治安維持を考えていると思われます。ところで尖閣付近での中国の活動の不思議ですが、私は台湾狙いなのだと思います。日本を刺激するという趣旨ではないとみています。

米中の争いは秋のアメリカ大統領選に向けて白熱する可能性はあります。特に香港をめぐる扱いはほかの西側諸国も連携する可能性が高く、アメリカは中国とのあらゆるプラグを抜き始めるかもしれません。その場合、日本がどのような立場をとるのか、そこを明白にしなければいけませんが、ちょうど両国の間に挟まれている位置関係だけに外交的にも地政学的にもビジネス的にも非常にやりにくいことになります。個人的にはずるいといわれるかもしれませんが、「中立主義」を貫くのも一手ではないかと思います。だからこそ、自国は自国で守るという気持ちを持たねばならなくなるとも思います。

困った日本の政治の混迷

黒川氏と河井夫妻という爆弾を抱えてしまった安倍首相がここをどう切り抜けるのか、あるいは日本の政治そのものをすっかり変える大変革が訪れるのか、大きな転機になってきたように思えます。最大の問題は安倍首相の次の有力候補がいない点でこれは実は日本だけの問題ではなく、海外から見ても不安ネタになってしまうのです。今回のコロナ対策も結果として感染者や死亡者は他国に比べて少なく、「なんでだろう」という疑問符までついていますが、少なくとも当局のハンドルさばきがうまかったという評価でないことは確かです。

安倍首相(官邸HP)黒川検事長(東京高検HP)

現在の下馬評からすれば安倍首相の対抗馬は石破茂氏しかいません。実際の選挙は世論調査のような簡単なものではないのですが、他に取りざたされている方々の支持率は一桁少ないぐらいの感じです。一方、党内バトルを考えると安倍首相は石破氏にバトンを渡すことはできず、それなら自らの4選を消去法で選ぶ可能性もあります。個人的には安倍首相は十分頑張ったと思っており、ここで少し自民党の窓を開けて空気を入れ替えた方がいいような気がします。

私案です。またそんなこと、と言われると思いますが、小池百合子氏が都知事選に出ずに自民党に返り咲く仕組みを考えられないかと思っています。例えばあの広島で出馬するとか。その後、二階氏介在の下、来年の総裁選に向けて準備するという案です。今の時代、女性首相は多いにありだと思うのと若い層の圧倒的支持は取れると思います。もう、日本も世代交代しないと。だからこんなあり得ないストーリーでもご提案する価値はあると思っています。まぁ、このブログの常連さんはお怒りになると思いますが。

後記

日本ではマスクの価格が暴落しているようです。一方、北米の白人はもともとマスクをしない国民性なので今でもマスクをするのはアジア系の人が目立ちます。ところが最近店舗などの再開に伴いマスク必携条件が加味されてきました。スーパーに入るのも電車に乗るのもマスクを要求されるとなれば、日本からマスクを輸入したくなってしまいます。輸送賃の方が高くつきそうですが…。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年5月23日の記事より転載させていただきました。

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