圧勝で終わった都知事選挙

2020年07月07日 16:00

日曜日に東京都知事選挙の投開票が行われ、現職の小池百合子氏が2期目の当選を決めました。

投票率は55.00%と低くて正直、これまでの都知事選挙で最も盛り上がらなかったのではないかと私は思いました。
それでも立候補者が22人もいて、実は過去最多の立候補者数だったことをご存知でしたか。

やはり新型コロナウイルス感染拡大防止のために、リアルな選挙ではなくネット選挙が中心だったからでしょうか。選挙のたびに街頭演説していると「うるせぇ」などとヤジを浴びることがありますが、あれがないと選挙って感じでがしませんね。選挙期間中に私も仕事で都内に何度か行きましたけれども、選挙が感じられるのは掲示板に貼られたポスターだけでした。テレビの報道などでも扱いは少なかったように思います。

それだけ世の中というか都民の多くが経済活動再開後の混乱の中で、身の回りのことに精いっぱいで関心が低かったということでしょうか。2期目の小池都政も当面の間は、このような対応が求められるということになりそうですし、小池都知事も「新型コロナは次の第2波に備える重要な時期だ。しっかりと対応したい」と会見で言っていました。

さて、小池都政1期目は「7つのゼロ」というのが公約でした。

7つのゼロ(一期目の公約)
待機児童ゼロ
介護離職ゼロ
残業ゼロ
都道電柱ゼロ
満員電車ゼロ
多摩格差ゼロ
ペット殺処分ゼロ

このうち公約を達成できたのは、ペット殺処分の公約のみで、待機児童、残業、電柱の公約は減ったもののゼロにはなりませんでした。満員電車については新型コロナの影響でテレワークが増えたり、不要不急の外出は控えられて大幅減になりましたけれども、これはよくやったというのとは少し違いますね。0を掲げてしまうと、0は0以外もありませんから、公約未達となります。だからということではないのかもしれませんが、今回の2期目に掲げた公約、東京大改革2.0には数値がほとんどありません。

東京大改革2.0 東京の未来は都民と決める
1 都民の命を守り「稼ぐ」東京の実現
① 都民を守る感染拡大防止策の更なる強化
② 「爆速」デジタル化により東京の経済を「新しい成長」へ
③ 魅力と強さを兼ね備えたまちづくり
2 「人」が輝く東京
① 子どもと女性が輝く東京
② 健康・長寿で「シニア活躍」
③ 多様性を力に変える「共生社会」東京
3 「都民ファースト」の視点での行財政改革・構造改革
① デジタル化による都民サービス(QoS)の向上
② 都庁の行財政改革/賢い支出(ワイズ・スペンディング)の徹底
③ 「グレーター東京」(大東京圏)構想の推進

上記に書いたように、「〇〇します」ということが羅列してある公約ですが、とにかく何するにせよ、私が一番気になるのはやはり財政です。次の世代に財政をいかに健全化するかということです。

例えば、コロナが始まってからのわずかな期間で、東京都は補正予算を組んで対策を進めた結果、コロナ前には9032億円(19年度末)あった財政調整基金が一時493億円まで落ち込んだが、歳出確定で現在の残高は807億円まで減ることになりました。ほとんど使い切る手前というところですね。

財政調整基金は財源に余裕がある年度に積み立てておく貯金のことですが、これまでの東京都は財政が健全だったから貯金が多かったということではなく、はっきり言って恵まれていたからです。それはそうでしょう。誰が考えたって東京都はあらゆるものが集中しています。

私は55歳なんです。今年やるはずだった東京オリンピックはよく、55年ぶりのオリンピックと言われてきました。そうなんです。昭和39年(1964年)10月に開催された東京オリンピック(第18回オリンピック)の年に私は生まれました。その頃、東京都は急ピッチで、突貫工事であらゆるインフラを整備しました。赤ちゃんだった私が55歳の中年男になって腰が痛い、ひじが痛い、老眼だって言ってるのと同じで、東京都のインフラも年をとり、あちこち老朽化しています。

例えば橋やトンネルなどのインフラは、耐用年数が50年と言われています。ということは、東京オリンピックから55年が経ち、その当時作ったものはみんな耐用年数を過ぎているということです。戦後復興の象徴である東京オリンピックを契機とした高度経済成長期に、まず東京がインフラ整備を行いその後地方に広がってったわけですね。ですから、老朽化施設の数は全国平均より東京都の方が高いわけです。

さらに東京全体を見渡してみると、やはり中心部である中央区や千代田区の老朽化率が高いということでもあります。道路、橋、トンネルなどだけではなく、浄水場や水道管、下水施設、そして都民が使う様々な施設などがそれに当たります。

横浜市長時代、私は水道料金を一度も値上げせずに黒字化して老朽化への対応可能な水道の持続可能性を高めました。東京都のように会社も人も集まったウハウハの自治体ではありませんでしたから、自分たちでコストを削ってお金を捻出しました。それでもまだ横浜はましな方だと思いますが、今後東京都は自らも努力で経営効率を高めて、持続可能な財政にして、持続可能なインフラにすることが求められます。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年7月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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