Go To トラベル は宿泊需要の拡大より「平準化」に活用すべき

2020年07月23日 11:30

「G0 T0 トラベル」が7月22日から開始されたようですが、東京の住民である私には関係ありません。

と思っていたら、SNS上で「都民とそれ以外の道府県に住む人が一緒に団体旅行を申し込んだ場合、都民以外の人が代表で予約などをすれば割引対象になりうる」という見解が示されたという投稿を見かけました。本当だとすれば、抜け穴だらけの拙速な政策です。

そもそも、来月から実施される予定だったものが、前倒しになったのは、4連休に間に合うようするためとも言われています。

観光業界の苦境を一刻も早く打開したい気持ちは良く理解できます。しかし、このような需要を一時的に拡大するキャンペーンを行っても、優遇策が終われば、元に戻ってしまいます。

それよりも、「G0 T0 トラベル」は観光業界の大きな課題である宿泊需要の平準化のために活用すべきではないでしょうか。

これは、星野リゾートの星野佳路代表が、新聞社のインタビューで提言していたことです。星野氏は「連休など需要が集中する日を事業の対象から外して需要を平準化する施策が望ましい」と語っています。

お盆や夏休みは、元々それなりに予約が入っていて、更に需要拡大策でテコ入れしても得られる効果は限定的です。観光業界が盛り上げて欲しいのは、誰もが出かけたがるハイシーズンではなく、需要が少ない平日やオフシーズンの集客です。

だから、「G0 T0 トラベル」は、例えばオフシーズンや平日の宿泊を優遇するのが良いと思います。

宿泊施設はオフシーズンも存在し、従業員の雇用も年間を通して維持しなければなりません。にも関わらず、需要のピーク時に合わせて経営資源を集めなければならないのは非効率です。

オフシーズンの宿泊需要を喚起でき、宿泊需要の平準化が実現できれば、宿泊施設の損益分岐点は下がり、収益は改善します。また、これをきっかけに、お盆や正月、あるいはゴールデンウィークや連休などに集中している日本人の宿泊事業を分散化するきっかけにもなります。

抜け穴だらけの施策を慌ててはじめる前に、業界事情を熟知した人たちの意見を聞き、戦略的な政策を打たなければ、また税金のムダ使いになってしまいます。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年7月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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内藤 忍
資産デザイン研究所社長

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