アメリカ合衆国大統領選挙など

2020年11月06日 17:00

石破  茂です。

アメリカ合衆国大統領選挙は、投票から3日を過ぎた時点においてもまだ結果が判明しません。

民主党のバイデン候補が選挙人の過半数に迫っており、有利な状況が続いているようですが、仮にバイデン氏が僅差で勝利してもトランプ大統領は「投票に不正があった」などとして法廷闘争に持ち込む構えのようで、いつになったら正常な形で政権が発足するのか、全く見通しが立ちません。

da-kuk/iStock

バイデン氏が「すべての票を開票せよ」と言うのは至極当然のことで、自分が有利であった時点では一方的に勝利宣言を行い、郵便投票の開票が進んでバイデン氏がやや優勢になると「バイデンが勝利したとされる州では投票に不正があった、集計をやめろ」と訴えるトランプ氏の姿は誠に異様な感じが致します。何故このような人物が大統領になり、何故支持する人が大勢いるのか、私にはよく理解が出来ません。

選挙の仕組みが異なるので、本当のところはよくわからないのですが、不正が行われないことを確認する投・開票所における立会人はアメリカ大統領選挙において両陣営から出ていないのでしょうか。ご存知の方があれば是非ご教示ください。

郵便投票を巡っても様々な議論があるようですが、我が国でも過疎地の投票所が激減し、車も運転できず、期日前投票も困難な高齢者の投票の権利が阻害されていることは看過すべきではありません。民主主義の基礎である投票機会の確保はあらゆるものに優先すべきなのであって、移動投票車の活用などももっと行われなくてはなりません。

どちらが勝利するにせよ、合衆国内の対立と分断を煽る統治の手法よりも、融和と協調を重んじる手法の方がより望ましいと私は思っております。

この混乱に乗じて何かを仕掛けてくる国が存在することも念頭に置いておかねばなりません。朝鮮半島・台湾などにおいて生起が予想されるあらゆる事態を想定したシミュレーションを常に怠ってはなりません。私も、先週ご紹介したトシ・ヨシハラ氏と岩田清文氏の著作を十分に理解・咀嚼したいと思っております。

今週開かれた衆議院予算委員会において、議論があまり噛み合わないままだったのは残念なことでした。学術会議の6人の任命拒否について、政府側が「国民・国会に責任が負えない場合は任命が拒否できる」と答弁しました。

東京・六本木の日本学術会議(編集部撮影)

それは「公務員は全体の奉仕者」との憲法第15条の趣旨とも整合するので、ではどのような場合に責任が負えなくなるのか、個々人についてではなくても具体的な説明が続くのかと思っていたら「個別の人事についての答弁は差し控える」との従来の答弁に戻ってしまい、何だかわからないままに議論が終わってしまいました。スタートしたばかりの政権にとってプラスになるように、官邸をはじめとする官僚の皆様も、前向きな議論につなげる答弁を用意していただきたいと思います。

非論理的かつ教条主義的に自説に固執するような学者を任命すべきとは思いませんし、過去の中曽根総理答弁との変更を明確に説明すれば、それは理解が得られないものではないでしょう。

学生時代に「私はかつての考えを改めた」と改訂版の著書の中で述べ、その理由を明らかにした学者のことを読んで、立派な方がおられるものだなと思いました。確か我妻栄博士の「民法案内」の中にそのような記述があったように記憶しているのですが、流石に権威・大家と言われる人は違うなと感心したものです。学術会議においてもそのような方を多く登用して頂きたいと思います。

学術会議の在り方を見直すことは当然あってしかるべきであり、今回の件もそういった在り方の議論と整合させて国民の前に説明することこそが政府・与党の責任だと思います。

週末は、自民党関係などの講演で大阪・岐阜・倉吉・鳥取を回ります。
急に寒さを感じるようになりました。皆様お身体にお気をつけて、ご健勝にてお過ごしくださいませ。


編集部より:この記事は、衆議院議員の石破茂氏(鳥取1区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2020年11月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は『石破茂オフィシャルブログ』をご覧ください。

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石破 茂
衆議院議員(鳥取1区、自由民主党)、

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