温情的かどうかは、主観的な判断なので置いておきますが、交通事故が増加したら、道路交通法は規制強化の方向に改正されます。例えば、それ以前にはなかった危険運転致死罪が2001年に新設され、2007年からはオートバイなどの場合にも適用されるようになりました。このような事後的なルール変更は、(自動車会社の)過少投資につながるから望ましくないという話になるのでしょうか。
同様に、交通事故に対応する消費者トラブルや借金苦からの自殺等の事故が増加したら、貸金業法が強化されるのは当然です。借地借家法や労働基準法にたとえるのは、2004〜05年頃に日本の消費者金融市場で実際にどのようなことが起こっていたかについてのもう少し詳細な事実認識を踏まえてからにしてほしいと思います。また、過剰貸し付けが問題を引き起こしていた一因ですから、適正な規模まで過剰な部分を減らさないといけないわけで、信用収縮がおきなければ失敗だということになります。
ところで、上限金利規制を強化するとヤミ金融が喜ぶだけだといった言い回しがよくされますし、今回もその種の発言を引用されています。しかし、これって論理的にどうなんですか?
例えばトイチの場合、複利で年利換算すると3142%になりますが、29.2%で借りられなくなると、3000%でも借りようとするというのは、どういう消費者行動を想定しているのでしょう。仮にある消費者の留保金利が50%だとすると、この消費者は29.2%のときは借りたでしょうが、その道が閉ざされば借りなくなるというだけで、ヤミ金に流れる必然性はありません。
ごく短期の流動性需要を想定しているのだという見方もあるでしょうが、本当にそうなのであればヤミ金被害を強調する必要もなくなりますし、過払い金問題のような話もそもそも発生しません。消費者金融の利用実態が、実際には短期ではなく、5〜10年にもおよぶものだからこそ、これだけの過払い金訴訟が起こりうるわけです。
ヤミ金が喜ぶだけという議論をする人は、暗黙裏に、金利に全く感応的でない行動を消費者がとるということを想定していることになります。この想定が意味するところが、消費者は全く非合理的だという話しであれば、きわめて温情主義的な政策をとる必要があるということになってしまいます。しかし、本当は、違う状況が想定されているのでしょう。例えば、苛烈な取り立てで追い込まれている借り手は、地獄への道だと分かっていても、ヤミ金に駆け込むはずだといった想定です。そうであれば、「苛烈な取り立て」が行われないようにすれば、ヤミ金に流れる必然性はなくなります。
とにかく、消費者金融関係者の口移しに「上限金利規制を強化すると、ヤミ金融に流れるだけだ」というのではなく、そのロジックを説明してほしいと思います。
ビル・エモットはどうだか知りませんが、先に池田さんが言及されていたシティグループの言動には、今日のシティグループの経営悪化につながる無理解と傲慢さを感じます。シティの経営トップは日本語を解さないことから、きわめて特定の情報源に頼って日本の消費者金融市場の動向について判断していたといわれています。そして、その情報源は、2006年1月に最高裁判決が出た後でさえ、金利上限の引き上げで決着するだろうという(業界にとって)楽観的な観測を流し続けていました。そうした話しか聞いていなかったから、青天の霹靂だったのでしょう。リテイル金融をやるなら、現地語も分かるようになって幅広く情報を集めていたら、判断は違っていたのではないかと思われます。
なお、因みに、シティを含む米国の大手消費者金融が本国で適用している金利は、10%代後半といったところです。日本では20%以上とれないと商売にならないというのは、強欲でなければ、ビジネスモデルが違うんですね。
ところで、上限金利規制を強化するとヤミ金融が喜ぶだけだといった言い回しがよくされますし、今回もその種の発言を引用されています。しかし、これって論理的にどうなんですか?
例えばトイチの場合、複利で年利換算すると3142%になりますが、29.2%で借りられなくなると、3000%でも借りようとするというのは、どういう消費者行動を想定しているのでしょう。仮にある消費者の留保金利が50%だとすると、この消費者は29.2%のときは借りたでしょうが、その道が閉ざされば借りなくなるというだけで、ヤミ金に流れる必然性はありません。
ごく短期の流動性需要を想定しているのだという見方もあるでしょうが、本当にそうなのであればヤミ金被害を強調する必要もなくなりますし、過払い金問題のような話もそもそも発生しません。消費者金融の利用実態が、実際には短期ではなく、5〜10年にもおよぶものだからこそ、これだけの過払い金訴訟が起こりうるわけです。
ヤミ金が喜ぶだけという議論をする人は、暗黙裏に、金利に全く感応的でない行動を消費者がとるということを想定していることになります。この想定が意味するところが、消費者は全く非合理的だという話しであれば、きわめて温情主義的な政策をとる必要があるということになってしまいます。しかし、本当は、違う状況が想定されているのでしょう。例えば、苛烈な取り立てで追い込まれている借り手は、地獄への道だと分かっていても、ヤミ金に駆け込むはずだといった想定です。そうであれば、「苛烈な取り立て」が行われないようにすれば、ヤミ金に流れる必然性はなくなります。
とにかく、消費者金融関係者の口移しに「上限金利規制を強化すると、ヤミ金融に流れるだけだ」というのではなく、そのロジックを説明してほしいと思います。
ビル・エモットはどうだか知りませんが、先に池田さんが言及されていたシティグループの言動には、今日のシティグループの経営悪化につながる無理解と傲慢さを感じます。シティの経営トップは日本語を解さないことから、きわめて特定の情報源に頼って日本の消費者金融市場の動向について判断していたといわれています。そして、その情報源は、2006年1月に最高裁判決が出た後でさえ、金利上限の引き上げで決着するだろうという(業界にとって)楽観的な観測を流し続けていました。そうした話しか聞いていなかったから、青天の霹靂だったのでしょう。リテイル金融をやるなら、現地語も分かるようになって幅広く情報を集めていたら、判断は違っていたのではないかと思われます。
なお、因みに、シティを含む米国の大手消費者金融が本国で適用している金利は、10%代後半といったところです。日本では20%以上とれないと商売にならないというのは、強欲でなければ、ビジネスモデルが違うんですね。





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しかし、金融業者に対して、すでに返済の終っているものつまり金銭貸借契約が消滅しているものまで、遡って返済を迫るというのはヤミ金でもやらないことなのではないか。つぶそうとしているとしか見えない。