ママ幹事長が目指す、「多様性」がある社会

森澤 恭子

初めまして。東京都議会議員(品川区選出)の森沢きょうこです。

SolStock/iStock

2017年6月に会社員から東京都議会議員選挙に初挑戦し、1期目。夫と共に小学校1年生息子と3年生娘を育てながら働いています。現在、所属は無所属。都議会では、おくざわ高広議員(町田市選出)、斉藤れいな議員(多摩市・稲城市選出)と共に、「無所属 東京みらい」という会派を組んでいます。

先週、私は、会派の代表である「幹事長」に就任しました。会派結成から約2年幹事長を務めていたおくざわ高広議員からの交代です。というのも、今般の五輪組織委員会の森会長の発言に端を発する一連の問題は、ジェンダーギャップ(男女平等の格差)が世界的にも大きい日本(※)において、ひとりひとりが自分の家庭や職場で、できることを考え、ジェンダー平等に向けて、行動していく契機にすべきと考えたからです。(※ジェンダーギャップ指数2020(世界経済フォーラム)121位/153か国中)

そういった中で、私たちは、幹事長交代という行動に至りました。都議会は、女性議員の比率は約3割ですが、各会派の代表者である幹事長となると全6人中女性は1人という状況です。小さな一歩ではありますが、ひとりひとりがそういった行動を積み重ねていくことしか、社会は変わらないと思っています。

また、私は、女性というだけでなく、子育て真最中という面でも珍しい立場となります。幹事長は、急きょ都議会での会議に召集されたり、時に、深夜まで長引く会派間の交渉に対応したりする役です。ですので、「子育てとの両立」という側面から役職交代には正直、躊躇しました。「管理職を引き受けたくない女性」にも通じる、ジェンダーギャップをうみだしている意識が自分の中にもあるということに今回気づいたのです。

しかし、これは「鶏が先か、卵が先か」にはなりますが、まずは、子育てや介護など時間の制約がある人が働きづらいと思われる環境に飛び込む中で、今までの「当たり前」について一石を投じていくことも大切なのではないかと思った次第です。

さて、森会長の発言に端を発した議論をみていると、ともすると「男性 vs 女性」の対立構造になってしまい、本質的な問題から遠ざかってしまうことを非常に危惧します。私たちが目指すべきは、性別や年齢、障がいや国籍などによって、生きづらさや働きづらさを感じることなく、自分らしくありのままで生きられる「多様性」のある社会です。

企業、メディア、行政、政治などあらゆる意思決定の場において、シニア男性が圧倒的に多く、実際には、男女LGBTQ、様々な世代で構成されている社会とはかけ離れているのが現状です。これでは、仕組みや制度に、年代、性別、子育てや介護といった様々な背景をもつ人たちの視点が反映されず、結果として、今の日本社会において、生きづらさや働きづらさを抱える方が数多くいるという状況をうみだしています。意思決定の場に、女性を増やすということに加え、世代や背景の多様な人材の参画を考えていく必要があります。

男性か、女性か、という議論を超えて、その先にある「多様性ある」日本の実現に向けて、歩みを進めていくべく、引き続き、私も行動していきます。