船橋市:薪ストーブ被害の排除に関する陳情

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本稿では、昨年の薪ストーブ被害関連動向のうち、筆者が紹介してきた神奈川県葉山町の例の他、千葉県船橋市議会に提出された「薪ストーブ煤煙悪臭」に関する陳情や、議員による一般質問について簡単に紹介し、少々の苦言を呈しておく。

■船橋市議会、令和5年第1回定例会(令和5年3月24日議決)

「陳情第9号 薪ストーブから出る煙と臭気、ススによる被害の排除に関する陳情」

陳情書の内容

本陳情は残念ながら不採択となった。

陳情書の内容を見ると、加害者は事業者であり社屋とのことである。

この事業者は社屋に薪ストーブを設置し煤煙悪臭を近隣に撒き散らし、加えて頻繁なBBQや騒音発生の源となっているが、周辺環境への配慮を全くせずに、勘違いアウトドアライフを強行している酷い例である。

苦情に対しては薪ストーブ使用者の定番対応である「逆切れ」をして苦情者に対し威圧恫喝を行っている。

被害者たる陳情者は、「今まで当然であった快適な生活」を、薪ストーブの煤煙悪臭によって一方的に奪われて心身ともに疲弊し、やっとの思いで悲壮な決意のもとで陳情を提出したに違いない心情は身に染みて理解できる。

(陳情は、陳情者の身元が明されるものであり、相当な覚悟が必要な行動である。)

船橋市役所も警察も「違法ではない」と言い、全国共通定番の逃げ対応である「たらいまわし」扱いを行い、行政機関は結果として有効な実効効果のある対処は何もしない、という結果であった。

この陳情書の内容は、近隣の薪ストーブによる被害者の苦悩を代表していると言える内容を集約したものと言えよう。
また、薪ストーブ使用者が温厚イメージとは正反対の、烈火のごとき粗暴かつ傲慢身勝手で、決して善良とは言えないことをも如実に示す例と言えよう。

船橋市議会議員は市民の悲痛な苦しみを無視し、薪ストーブ使用者のやりたい放題の狼藉を追認した「弱者に対するさらなる虐げ」の形になった。これを非道と言わずして何と表現すべきだろうか。

船橋市議会の構成員は全員猛省せよ。恥を知れ。

金沢和子議員(日本共産党)による一般質問

船橋市議会、本会議録画」以下の2本の録画を含む。

1:令和6年第1回定例会
会議日:令和6年2月28日(本会議)
2:令和5年第3回定例会
会議日:令和5年9月20日(本会議)


編集部より:この記事は青山翠氏のブログ「湘南に、きれいな青空を返して!」2023年3月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「湘南に、きれいな青空を返して!」をご覧ください。