赤字続きの公営競技をどのように改善するべきか - 木曽崇

2011年01月27日 19:15

以下、日刊工業新聞による報道をご紹介。

・経産省、産構審小委に競輪場半減を提案
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520110127abat.html?news-t0127

経済産業省は26日に開いた産業構造審議会(経産相の諮問機関)の小委員会に、既存の競輪場を半減する案を提示した。車券の売上高減少傾向が止まらず、経費削減しても大半の競輪場が赤字に転落する見込みのため、検討の材料として試算したという。[…]


経産省の試算ではこのままの状態を放置しておけば6 年後には全国46の競輪場のすべてが赤字へと転落するとのこと。よって、競技場の半減させて市場の縮小均衡を図るべきだというのが提案の内容のようだ。

現在の公営競技における赤字の垂れ流しは当然放置しておくべきではないが、私自身は競技場の数を減らす前にやるべき事があると考える。それが、競技場運営の民間運営委託の推進だ。詳細は以前私が書いた以下のリンク先記事を読んで貰えれば嬉しいのだが、現在、日本の公営賭博制度はその運営を民間に預ける事によって公の金銭的なリスクをゼロにできる(公的赤字の出ない)システムが整備されている。

・公の金銭リスクの低減
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/3130914.html
・公営賭博の改変
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/3209878.html

ただ、この制度の採用は現在公営競技場で働いている職員の人員整理が大前提となるので、実際の導入検討が始まると自治労(地方公務員の労働組合)あたりが大反対運動を起こしてそれを封殺してしまう。その反対を乗り越えて民間運営委託を何とか実現した自治体も、これまた組合からの圧力で「運営受託企業は職員全員を継続採用した上、現雇用条件も変えてはいけない」などという、受託側の民間企業から見ればまったく理不尽な条件を付加させられる。結果として「官から民へ」のムーズな事業継承が行われず、現在、全国の公営競技場で民間企業による運営受託が行われているものはそれほど多くない。

経産省は、いきなり競技場を半減させて市場の縮小均衡を図ることを提案しているようだが、まずは公の運営によって生まれた高コストな経営体質を適正なる民間運営の導入によって改善させる。同時にそのノウハウの採用によって市場の拡大を図る。それでもなお利益が出ないのならば、本格的に競技場の数を減らす検討を行うべき(というよりは、運営受託した民間企業が自ずと撤退を始めるので、市場の中で自然淘汰が起こる)。

私としては、これが公営競技業界が採用しうる唯一の施策だと考えます。
(木曽崇 国際カジノ研究所 所長)

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