出版業界変革の足音 - 元木一朗

2011年03月06日 01:49

2月28日に、アゴラブックスより「Twitter後のネット社会」という書籍を出版した。私としては、これが単独では3冊目(韓国での翻訳版を含めると4冊目)、共著を含めると4冊目の書籍となる。


実は、この本の原稿は昨年5月の時点ですでに7万文字の原稿となっていた。ところが、私が自社で展開しているビジネスとの絡みもあって、どのタイミングでどこから出すかを模索しているうちに約半年が経過してしまった。そこで、文章のリバイスをかけ、約7割を書き換えた。さらに、4万文字程度を加筆し、合計では9万文字を越える著書となった。前作の「ブログ・ビジネス」が約5万文字だったので、分量だけで言えばほぼ2倍である。

こうした作業と並行して実施したのが、出版社探しである。内容がインターネット関係ということもあり、また、旧来からの、いわば常識が通用しない世界の出版界には距離を置きたいと思っていたので、全くの白紙状態からの出版社探しであった。そのとき、たまたま目についたのが、池田信夫氏のTwitter上でのつぶやきであった。どうやら電子出版のコンテンツを募集しているらしい。基本的に電子出版中心の様子なので私のニーズにはぴったりと合う。試しにアゴラブックスのウェブサイトにアクセスしてみると、オリジナル作品であっても、出版実績があれば検討してもらえるようだ。

そこで、まずは「出版が可能か」と問い合わせのメールを出してみたのだが、ほどなく「査読するので、作品を送ってほしい」という返信が来た。私は原稿をはてなダイアリーの非公開ブログで執筆しているので、その内容をコピー&ペーストして送らせていただいた。査読希望図書がかなり寄せられている様子で、私の原稿の査読には予定よりもかなり長い時間が必要となったが、無事GOサインが出され、アゴラブックスからの出版が決まった。

アゴラブックスでは校正もやってもらえるものの、基本的には著者サイドで実施することが望ましいとのことだったので、身の回りの人間に校正を手伝ってもらい、また、査読にかかっていた期間に起きた最新の事柄についても書き込んだ。GOサインが出てから書籍がアゴラブックスに並ぶまでの期間はほぼ一ヶ月で、このスピードは特筆すべきことだと思う。インターネット関係の図書など、動きの早い分野の書籍には非常にマッチすると思う。

調整したのは価格、販売形式の二つで、価格設定については完全にアゴラブックスにお任せした。販売形式は、ブラウザー形式のみと、ブラウザー及びPDF対応版の2種類から選ぶことができるとのことだったので、オフラインでも読んでいただけるようにPDF対応形式としていただいた。

アゴラブックスでは楽天とPayPalによる支払いに対応しているが、知り合いから「やり方がわからない」との連絡があったので、実際に自分で購入し、その時の画面をキャプチャーして購入マニュアルも作ってみた。

アゴラブックスからのオリジナル書籍出版は拙著が3冊目のようで、オリジナル書籍の出版事例は少ない。しかし、自分で執筆できて、ある程度の校正がかけられる人であれば、かなり便利なプラットフォームだと思う。アゴラブックスがもつポテンシャルが最大限に引き出される場面は、間違いなくオリジナル作品の出版なのだ。実際に出版してみていくつかの課題は発見したが、それらは担当の方に連絡済みである。恐らくは、次に誰かが出版する際にはきちんと改善されていると思う。

音楽界はデジタル化によって大きく変貌した。遅れていた出版界の変貌も、もう目の前である。アゴラブックスでの出版を体験し、その変革の足音が大きくなってきていることを実感した。ちょうど「Twitter後のネット社会」の第3章で出版界に言及した部分があるので、引用しておく。

「おそらくこの業界でも生き残るのは著作者と、電子出版業者の二つだけです」

(元木一朗 株式会社ライブログ 代表取締役CEO)

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