我々は世界同時不況の入り口に立っているのか?(続編)

2012年06月01日 09:47

2週間前に、我々は世界同時不況の入り口に立っているのか?をアゴラに投稿した。昨日、日米で重要な経済指標が相次いで公表されたので、これを参照して、前回記事を検証してみたい。


先ず、経済産業省が4月鉱工業指数を発表した。

1.生産 4月の生産は、前月比0.2%の上昇と2か月連続の上昇(前年同月比は13.4%の上昇)となり、指数水準は95.8(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、化学工業(除.医薬品)、電気機械工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、シャシー・車体部品、駆動伝導・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。

2.出荷 4月の出荷は、前月比0.9%の上昇と3か月連続の上昇(前年同月比は16.3%の上昇)となり、指数水準は96.7(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、金属製品工業、電気機械工業等であった。

これだけ読めば、成程、経済産業省が言う様に生産は持ち直しと言う事になる。

一方、この発表に対しBBCは遥かに辛口でコメントしている

Japan’s factory output was weaker than expected in April because of slower demand for electronics goods, especially in China.

日本の4月鉱工業指数は予測調査値よりも低い物であった。中国を中心に電子部品の需要が低迷した為である。

バブル崩壊後、日本経済が何とか持ち応える事が出来たのは、隣国として中国バブルの恩恵に浴す事が可能であったからである。しかしながら、バブルが永久に続く事等ありはしない。

日本が発展する為には、中国に代る成長エンジンを見つけ、提携し、成長と発展の果実の分け前にありつける様に努力する必要がある。BBC記事から、私はその様な示唆を受けた。

矢張り、ベトナム、ミャンマーや、近隣のインド、マレーシアそしてインドネシアと言った地域が日本の生命線になると思う。

一方、アメリカも冴えない。同じく、BBCが伝える所では、第1四半期の経済成長は減速との事である。

The US economy grew at an annualised 1.9% in the first three months of 2012, less than the 2.2% first thought.

第一四半期、アメリカの実質経済成長率は、事前の推定値2.2% に対し、前期比1.9%の増加となった。

要は、当分アメリカに利益の積み増しを期待するのは無理筋と言う事であろう。

言うまでもない事であるが、欧州経済は不調以前に破綻の危機に瀕している。ユーロ一時96円台、11年半ぶり最安値水準 NY市場との事で、日本としてはソブリンリスクへのエクスポージャーの削減に努める地域であって、決して利益を求める所ではない。

こうやって、世界経済を鳥瞰すると、「我々は世界同時不況の入り口に立っているのか?」 ではなく、「我々は世界同時不況入りした」と思えてしまう。

問題は、こういう時代に「個人」がどうやって生き残るかである。

アゴラ記事、日本から本社が消える日 で説明した通り、漠然と本社に努めている様な社員は、今後、間違いなく解雇されてしまう。そして、望む様な転職は先ず不可能である。

ちっとも勉強せず、お気楽なサークルと手軽な恋愛、居酒屋での賄い付のアルバイトに忙しい大学生に真面な就職など有り得ない。今後、大学に設置されると言う、ハローワーク経由ブラック企業に就職するのであろうが、決して長続きする事は無く、更なるブラック企業に転職を繰り返す事になる。言葉は悪いが、生活保護受給者への道をまっしぐらと言った所である。

社会人であれ、就活生であれ、「過去に何を学び」、「どういった経験を積み」、「企業で何が出来」、「目に見える貢献が可能なのか」が冷徹に問われる事になる。

中国のバブルが終焉した様に、「就職バブル」も遥か昔に終わってしまったのだ。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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