平和の代償と配当

2012年06月03日 06:50

BBCが伝える所では、米、パネッタ国防長官“海軍艦船6割太平洋へとの事である。

The US is planning to move the majority of its warships to the Asia-Pacific region by 2020, Defence Secretary Leon Panetta has revealed.

米、パネッタ国防長官は、2020年までに海軍の艦船をアジア太平洋地域に集中させる方針を明らかにした。

21世紀の世界の成長エンジンは、言うまでもなく西はインド、南はオーストラリア、ニュージーランドに達するアジア太平洋地域である。アメリカはこの成長する地域に対し、世界最強の軍事力に依り恒久的な平和をもたらす事で貢献し、成長の分け前に与かる積りなのであろう。アメリカの成長戦略の中核は軍事に依るアジア太平洋地域への関与かも知れない。

問題は、日本を含むこの地域に恒久的な平和が訪れたとして、どの様な変化が生じ、結果、企業、個人各々のレイヤーで如何なる「チャンス」が生じるかである。

先ずは平和の代償、詰まりは、平和に伴う「負」の部分である。この地域に恒久的な平和が確立されれば、若くて廉価な労働力が労働市場に対して大量に投入される事になる。市場主義経済の原則は「鞘寄せ」なので、当然の結果として、日本の労働者の賃金は下がり続ける。「デフレ」は恒久的に続くのである。

更には、廉価な労働力を求め日本の製造業は新興国への移転を加速する。当然、国内での雇用は消失する。失業問題の重篤化は当然の帰結である。

しかしながら、日本が莫大な平和の配当を受け取る事も、今一方の事実である。具体的に言えば、日本に在って新興国に無い物全てに就いて、新たな「ビジネスチャンス」が生じると言って良い。

「電力」、「通信」、「上下水道」、「病院」、「港湾」、「高速鉄道」、「高速道路」、「橋梁」、「ゴミ焼却炉」等の基幹インフラ。そして、全ての製造業の根幹を成す「資本財」。「資本財」は日本が最も得意とする分野である。

以前のアゴラ記事、メコン流域5カ国に6千億円のODA供与と、ミャンマー円借款、25年ぶり再開で、政府対応を評価した理由がここにある。

これから世に出ようとする若者は、日本に留まり税に寄生する人達、詰まりは、「政治家」、「公務員」、「高齢者」、「生活保護受給者」と一緒に暮らすのか、或いは、かの地に勇躍し、キャリアパスを着実に積むのか、良く考えた方が良い。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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