世界の目はヨーロッパに --- 岡本 裕明

2012年06月14日 08:04

今週の日曜日にあたる17日にいよいよギリシャの再選挙が実施されます。緊縮財政を支持する現第一党の新民主主義党(ND)と第三党の全ギリシャ社会主義運動 (PASOK)が優位に運ぶか、第二党の急進左派連合(Syriza)を含めた反緊縮派が騰勢を強め、ユーロの行方に暗雲をもたらすのか、情勢は予断を許さないところにあります。


更にこのところ連日のスペイン銀行救済問題でイタリアを含めた南ヨーロッパ諸国の経済に対する疑心が再び盛り上がっています。報道に一喜一憂し、市場は日替わりの乱高下を繰り返しています。

一方、日本銀行が14、15日開く金融政策決定会合では金融緩和等の目立った施策は出ないと見られています。私もそう思います。また、来週19、20日に開かれるアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)の行方も気になるところですが第一義的にはギリシャの選挙結果がその行方を占う試金石になるでしょう。

ただし、アメリカに関しては前回のFOMCの際の声明でアメリカ国内経済だけを見ればQE3といった追加緩和を行う状況にはないとしています。つまり、景気回復は緩やかだが、QE3をするほどにはないということです。これは逆に言えばQE3という強力な武器はヨーロッパなど外部情勢による緊急事態の対策として温存しているともいえます。

たぶん、日銀も同じことでまずはギリシャ選挙の結果、そして、スペインを含むヨーロッパの動向を見た上でそれが日本経済あるいは為替にどう影響してくるか、その様子見になるのではないかと思います。為替に関しては海外では日本が介入するのではないかというFearが常につきまとっており、一定の円高歯止めがかかっているようです。

ギリシャの動向に関しては希望的観測を含め、緊縮財政派が主導権を握ることになるのではないか、と見る筋は多いようです。これはもっともなことで政治主導でギリシャがEUなどからの支援を打ち切られても国民生活を守る責任を果たす道筋はないのです。

特にユーロ圏での発言力に関しては経済的基盤から考えてもドイツが圧倒的に強いことを踏まえ、ドイツ人気質である「隣の芝はきちんと手入れされていなくてはいけない」という観点からすれば、ドイツがギリシャに甘えは許すことはないのではないでしょうか?つまり、反緊縮派の再交渉の余地は極めて少ないのではないでしょうか?

いづれにせよ、ある意味、非ヨーロッパ圏はこの3年にも及ぶユーロ問題にはた迷惑だと感じていると思います。特に中国はヨーロッパ向け輸出が減退していることに景気減速のひとつの理由がありますから小国ギリシャの侵した罪は深いといえるでしょう。

一方で、これだけ谷が深いと回復期にはきわめて力強いものが期待できます。特に消費などは我慢して耐久消費財などは購入の先送りをしているでしょうから一時的に大きなジャンプはありえると思います。

世界はその日を待ち焦がれているということです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年6月13日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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