「週刊朝日」や「佐野真一氏」に刑法の適用はできないものか?

2012年10月30日 09:58

言論を法律で取り締まる事は、極力避けるべきだが、何でもありでは、公序良俗の維持は出来ない。

言論の自由の許容範囲を決める事は誠に難しい。過失による誤報は、それを認めて陳謝することで解決するとして、問題は特定の相手を陥れたり、己の利益(売名や売り上げなど)を追求する目的で虚偽報道をすることも、言論の自由として保護されるべきだろうか?


今回の「週刊朝日問題」などはその典型だが、親橋下派の石原都知事が「出自や親族の職業をあげつらい、それがDNAとして受け継がれて危険だというのは、中傷誹謗の域を出ない卑劣な作業だ」と厳しく批判しただけでなく、反橋下派の北口近畿大教授まで「被差別部落の出身者であるとして人物像を描くのは偏見であり差別だ。週刊朝日の記事は全く別の差別の問題。書き方も低俗だ」と強く批判した。

問題は、マスコミは日本の読者の多くが真贋に関係なく話題に飛びつく事を良く知っており、売れると思えば,虚偽報道でも朝飯前だと言う現実だ。

守銭奴と化したマスコミは、今回の様に大物を巻き込んだ批判が高まると反省どころか、願ってもない宣伝になるとほくそ笑んでいるに違いない。

批判の中で私が注目したのは「佐野氏の盗用癖」を指摘した石原知事の発言である。これが事実だとすれば、「朝日・佐野商法」にとっては、大きな打撃だ。

ノンフィクション作家と言うタイトルが何を意味するか知らないが、週刊朝日の記事はいい加減なエピソードを並べて、予め決めていた結論に読者を誘導する筋立てで、その手法は捜査機関の冤罪デッチ上げ方式にそっくりだ。これは言論ではなく、立派な犯罪行為である。

私は、意見の分かれる内容批判より、週刊朝日と佐野氏は「倫理と法令」順守と言う言論人の基本を無視して、このシリーズの執筆に当たったのでは?と言う角度から話しを進める事としたい。

(1)新聞協会「倫理綱領」違反の疑い

新聞協会は、言論の自由を守る為の「憲法」として「なにが真実か、どれを選ぶべきか、的確で迅速な判断が強く求められている。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすこと」と言う主旨の倫理綱領を作り、「自由と責任」「正確と公正」「独立と寛容」「人権の尊重」「品格と節度」と言う五項目のあり方を具体的に記述して、国民にその実行を誓っている。

週刊朝日の記事をどう読んでも、この倫理綱領の全てに違反している事は間違いない。この、乱暴とも思える倫理綱領無視に対する新聞協会の反応がみものである。

週刊朝日や佐野氏には、倫理綱領違反だけでなく、共同社会の一員として信義と誠実を旨として行動することを前提として制定された多くの法律に抵触している疑いもある。

処が、日本の法律は「適用要件」が厳しく設定され、入り口を固く固めており、常識的な「信義則」に準拠して法律を適用する事は難しいらしい。それを承知で、以下の法律とこの記事の整合性を検証してみたい。

(2)「不正競争防止法違反」の疑い。

マスコミと言えども「情報を売る」と言う商業活動に従事している以上、虚偽報道、粗悪記事、根拠無しに相手を貶める風評を流す行為は「不正競争」に当たる事は論を待たない。従い、週刊朝日と佐野氏はこの法律に違反していると言うのが私の意見だ。

(3)「著作権法違反」容疑。

石原都知事が公表した「佐野氏の盗用癖」が事実なら、盗作常習犯として徹底的に追及する必要がある。それにしても、言論人の生命に拘る非難を受けながら、佐野氏が沈黙を守っているのも合点が行かない。

(4)「業務上致傷罪と注意義務違反」

橋下市長の年齢と7人の子持ちという事を考えれば、いたいけな年齢の子供さんも居るに違いない。その事実を知りながら「ハシシタ 橋下徹も知らない本性をあぶり出すため、血脈をたどった!」と言うセンセーショナルな見出しで、問答不要とばかり自分の父親や祖父の誹謗記事やその風評を見聞きした橋下氏の子供さんが、幼い心を深く傷つけられた事は想像に難くない。何と心無い仕打ちをする「守銭奴」であろう。

世にも稀な芯の強い父親に保護されているから何とかなっているのであろうが、これが普通の家庭の子供であったら、自殺を考えても当然である。

これは、大津中学いじめ事件などの様な、非行少年が起こした犯罪行為とは異なり、報道と言う公器を悪用した意図的犯罪であり、この企画が公器としての社会への貢献や公的な利益の向上に寄与する事を証明出来ない限り、関係者は「業務上致傷罪と注意義務違反」の刑事犯として厳罰に処すべきだと思う

過酷な労働条件で事故を起こしたトラックの運転手でも、業務上過失や注意義務違反を問われる時代に、文筆業だと言う理由だけで、記事とは無関係の第三者を誹謗中傷してまで、利益を追うことは許される事ではない。

日本の法律が機能せず、週刊朝日や佐野氏の行為が不問に付されるのであれば、やってはいけない行為だが、2チャンネルの力を借りて、佐野氏や週刊朝日の担当者が神経衰弱になるほどの大量の誹謗デマを流せば、虚偽報道の卑劣さを認識し再犯を防ぐ事が出来るのでは? とさえ思う。

2012年10月30日
北村 隆司

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