緩和されてマトモになってきた日本の贈与税 --- 岡本 裕明

2013年01月18日 13:34

政府は贈与税に関して2500万円までの非課税、贈与する人の年齢を65歳から60歳に下げる、更には対象に孫も入れるという方針を打ち出しました。結構なことだと思います。

勿論、子や孫にやるお金より自分の生活の方が不安、という方が圧倒的多数だとは思いますが、少なくとも何が何でも個人の資産をいつかは国庫に、という日本の考え方が緩んだという点で評価しています。特に孫への教育資金を1500万円まで非課税とする方針が発表になった翌日には学習塾の株価が暴騰するなど日本経済へのプラスの期待が出た格好になりました。


贈与の非課税枠は現在110万円。正直、これに対する確実な捕捉は難しいのだろうと思います。子や孫に○○祝いや洋服などのギフトを通じた贈与はいくらでもあるわけでこのルールを十分把握している人も少ないと思います。ですが、それが教育は1500万円、贈与税2500万円という大きな枠が出来ることは資産の移譲が進むことになり、日本経済の活性化に繋がることになるでしょう。

バンクーバーのある70歳ぐらいの高額所得者。彼女は子供もなく、どう考えてもお金をもてあましています。その彼女、「私はバッグも洋服もうんざりするほど持っているからもういらない。」ではどうやって使うのかと聞いたところ、「せいぜいおいしいものでも食べるわ」というもののレストランで彼女が頼んだのはメインコースサラダと称するちょっと量が多くて多少肉系が入っているサラダ。「私はもう、こんなものしか食べられないのよ」。

人の財布を気にするつもりは毛頭ありませんが、自分が年をとったときもこうなるのだろうかと思うとぞっとしました。お金の価値は若い人ほど高く感じるものです。私の会社の従業員にクリスマスの頃、「何か欲しいものはあるのかね?」と聞いたところ、「いくらでもあります」と言われて改めてお金の価値を感じてしまいました。

また、教育に関する非課税枠1500万円は日本の水準を引き上げるには有効な手段だと思います。ゆとり教育時代に世界の中での日本のレベルが低下、一方、教育熱心な韓国や中国でのレベル向上はまさにウサギと亀の話そのものでした。今、その巻き返しが起きようとしています。

古来、日本は大衆まで読み書きが出来たと言う意味で世界最高水準の知識レベルと称され、それが現在の日本を作った理由のひとつとされています。それはどんな国民も高い教育レベルを受け、国民同士で切磋琢磨し続けたが故の地位でした。そういう意味では国が非課税という形で教育をサポートすることは長い目できわめて大きな効果がもたらされることでしょう。

今回の方針決定には大きな期待をしております。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年1月17日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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