「スポーツは政治だ」なんて、まだそんなことを言っているの?

2013年02月17日 13:05

誰に聞いてもね、東京のプレゼンテーションは圧倒的によかった、ということだけども、こういう結果になったというのは、そういう力学については、私たちはこれから勉強しないとなかなか難しい戦いが続くんじゃないかと思いましたな。

これは、東京への五輪招致に失敗した際の石原東京都知事の発言で、2009年10月4日付の朝日新聞に掲載された。開催地が政治的交渉で決まるとは知らなかったと、生意気な口ぶりながら、石原氏は白状したわけだ。それ以来、この暴走老人の言動が信頼できたためしはない。

レスリングが五輪種目から除外されたのを受けて、「スポーツは政治だ」との論評があふれている。たとえば、産経新聞は「情報戦での敗北、東京五輪招致にも影落とす」と伝える。僕の感想は「まだそんなことを言っているの?」である。


総務省は「ICT成長戦略会議」の開催を2月15日にアナウンスした。僕の感想は「また、そんな会議を開くの?」。同種の会議は何度も設置されている。2006年には「ICT国際競争力懇談会」、引き続き2007年には「ICT国際競争力会議」。民主党政権下でも2011年に「ICTグローバル展開の在り方に関する懇談会」など。

繰り返し会議が設置されているのは、会議が現実の社会経済に役立っていないからだ。有識者を集めてというが、集めればこそ結論は無難でインパクトのないものになる。スポーツと同様に「ビジネスも政治」だから、有識者は政治的思惑で発言する。政府への協力が優先されるから「政府のくびきを外せ」といった提言は期待薄である。

ところで、成長・競争力の観点でしばしば提言されるのが、国際標準化活動の強化である。「日本発」で誕生した国際標準を武器に世界で勝負しようという発想だ。この戦略で展開されているものの中には、しかし、日本で先に全部決め世界に押し付けようという活動が散見される。「標準化も政治」だから、押し付けは他国に拒否され、戦略は不発に終わる。

他国・他企業と協調し、相手の意見を聞きながらも主導権は握る、そんな活動が求められる。無線LAN高速認証技術は、その意識で、グローバル標準化の舞台であるIEEE802.11委員会で日本人(真野浩氏)を議長に進められている標準化活動である。僕も国内団体で会長を務め協力している。21日に京都大学で実証実験を行う。近くの方はぜひご参加ください。

山田肇 -東洋大学経済学部-

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