群雄割拠のタブレット市場、勝者は誰か --- 岡本 裕明

2013年03月04日 06:00

世の中パソコン市場はタブレット一色になりつつある気がいたします。アップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフトに遂にHPがSlate 7という機種で参戦に挑みます。しかもその価格はアメリカで169ドルという廉価であります。性能は個々、それぞれ特徴を持たせているのですが基本機能だけ見れば普通に使うにはどれでも大差がなくなってきたという気がしております。結果として価格競争がより一層高まるということになりそうです。


考えてみれば十数年前、パソコンの価格が一台100ドルになれば爆発的普及をするとビル・ゲイツ氏が述べていた記憶がありますが、169ドルとなればもはやその域に達しつつあるということでしょうか?パソコンの究極の目的は世界中の人に端末が行き渡り、ネットで繋がることだとすればその目的への価格のハードルが一段と下がったということになります。

それは翻してみればタブレットにしろPCにしろコモディティ化したということでしょう。わかりやすい例で言うと車のようなもので、動く、止まるという基本動作が車の基本でそれに個々人の目的に応じ、加速性能か、荷物を積むのか、たくさんの人を乗せるのか、オーナードライバーなのか、高級感を求めるのか、といったテイストを乗せていくのです。

この流れの中で明らかに迷惑をこうむっているのはアップル社だろうと思います。アップルのiPad MIniは329ドルでグーグル、アマゾン、HPの価格と明らかに乖離しています。もちろん、コアなファンはアップルを支持し続けるだろうと思いますが、多くの「ノンポリ消費者」は価格戦争に引っ張られる形でアップルから離れることは目に見えています。

アップルがiMacを発売した頃、価格は強気一辺倒で当時のウィンドウズとは明らかに一線を画していました。理由はそれでもアップルにグラッフィックなどで圧倒的強みがあったからに他なりません。その後、革新的デザインであることやコンピューターウィルスに狙われにくいという理由、更にはアップルを持っているとおしゃれというイメージがアップルをメジャー路線に押し上げました。

ところが、iPhoneでの成功は結果として誰でも持っているおしゃれであり、もはや優越性という点ではそのアドバンテージはまったくなくなってしまいました。

更にアマゾンやグーグルはアップルの牙城である10インチモニターの市場に狙いを定め始めました。つまり、アップルの完全包囲網が敷かれたといっても過言ではないでしょう。

このタブレット戦争、最終的に誰が市場を押さえるのか、これは今の時点で誰もわかりません。少なくともいえることはHPも原価か原価割れでの市場参入とされていますのでタブレットのディバイスを用いてソフトなりで稼ぐ手段を持っている企業が勝ち残る体力も持つということでしょうか。その点、アマゾンのジェブペゾス氏は当初からディバイスで儲けるつもりはないと断言しているわけですからこのあたりが勝負のポイントになるかもしれません。

ところでマイクロソフトのタブレット、サーフェスはキーボードがつけられ、ノートパソコンとタブレットの中間的存在だと思いますが、価格が中途半端であることとキーボードと本体の接続部分がちゃちな感じがします。これは大丈夫かな、と個人的には買う気がなくなってしまいました。

今後、タブレットは明らかに戦国時代を迎え、淘汰されることになるでしょう。そして家電メーカーのタブレットの存在感がどれだけ出せるかが日本のメーカーにとっての最重要な課題になることは間違いありません。

少なくともタブレットへの今後の期待はさほどヘビーデューティーではなく、ハンディさであるような気がするのは私だけでしょうか?

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年3月3日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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