ユニクロ、「世界同一賃金」導入の衝撃!

2013年04月23日 10:19

ユニクロが「世界同一賃金導入」を公表した。内容については下記関連記事を参照して欲しい。

ユニクロ、「世界同一賃金」導入へ 優秀な人材確保狙う

年収百万円も仕方ない・ブラック企業批判は誤解 世界同一賃金、ユニクロ柳井氏に聞く

(限界にっぽん)第3部・超国家企業と雇用:1 両刃の同一賃金、社員選別 ユニクロ


勤務地によって物価が異なるので生活に必要なコストに大きな差異がある。これをどう調整するかなど課題はあるものの、「世界同一賃金」導入に向けて舵を切ったという事であろう。

その結果、日本国籍だからといって日本の若者が、ベトナム人やミャンマー人よりも優遇されるという事はない。

必然的に、全世界の若者と競合し勝ち残って行かねばならない事になる。

この決定は、幾つかの教訓を日本政府、役所、日本国民に与える事になると思う。

先ず第一は、「企業」は安々と「国境」を越えて行く力を蓄えたという事実である。

最早、国にも行政にも止める事等思いも寄らない。

偶々、昨日「日本のモノ作り」現状に対する現役経産省官僚の大いなる誤解で、海外で国や行政の支援を当てにせず活躍する製造業について説明した。

現役経産省官僚の製造業批判は「負け犬の遠吠え!」と指摘した訳である。

製造業に可能であった事が小売で不可能なはずがない。恐らく今回のユニクロも成功すると推測する。

そして、製造業と今回のユニクロの違いは、製造業が生産拠点を海外に移転した事でグローバル化に成功したのに対し、店舗の海外展開加速と併行して「雇用条件」を世界一元化する事で本当の意味でのグローバル企業を目指している事だと理解する。

第二は、「経済効果」という目に見えるかたちでの具体的な御利益である。

「GDP=国民一人あたりのGDP(国民あたりの生産性)×人口」である。日本の人口は減り続けるから、GDPを引き上げるためには国民あたりの生産性、つまりは「競争力」を上げて行くしかない。そのためには、日本の若者を外国人と競争されるのが最も現実的である。

輸入関税800%の米が判り易い例であるが、保護すれば保護する程弱くなる。競争力強化のためには厳しい様だがグローバルな競争に晒すしかない。

更にはGNI増加も期待出来る。

日本人も外国人も雇用において分け隔てなく遇するという今回のユニクロ施策は、店舗や生産基地を置く海外の国々で好感を持って迎えられるに決まっている。

その結果、それらの国々で、好調な売り上げ、増収増益、配当の増加という判り易く好ましい循環が期待出来る。

最後は、あるべき日本の社会システム変革の切っ掛けになるであろう期待である。

何と言っても「世界同一賃金」である。日本国内で永らく議論されている「同一職種、同一賃金」などは一周遅れ、二周遅れの話になってしまった。

日本は雇用を流動化させ、「人材」の活躍が期待出来る場所、適正な職場への再配分を急がねばならない。

その意味、「正規社員」と「非正規社員」の身分の隔ての維持に懸命な既得権益者は下品であるだけではなく、国益を大きく毀損している。

「正社員」という身分を保証し、更には65才まで定年を延長するというのは狂気の沙汰という事になる。65才まで身分を保証してしまっては、誰もリスクを取らず、「急がず」、「慌てず」、「働かず」となるのは必然である。

無意味なユニクロ叩きは早く止めるべきである。そして、「法令順守」という思考停止に陥っている暇は、最早日本国民には残されていない事を理解すべきと思う。

山口 巌

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